豊かな音質を、シンプルな操作で。FM/AMラジオ機能内蔵の定番、サウンドシステム。最新のBluetooth規格に対応。

Tivoli Audio "Model One" BT

NEW>> Bluetooth 5.0にアップデート、細部もアップデートした最新モデルです。


朝、ニュースを聞きたいとき。夜、ひと息つきたい時。慌ただしいテレビではなく、ラジオをお選びになる、という方が増えているようです。ラジオの声、そして音楽に耳を傾けながら手仕事をしたり、趣味を楽しんだり。パーソナリティーの楽しいおしゃべりや、テレビでは知ることができるない、ひとつ踏み込んだニュース解説と、テレビの多局化やインターネットが一般的になった今日こそ、そこには無いラジオの魅力は見直されています。

また、場所だけを占有してしまい、鼓膜を震わせる大低音が特徴のオーディオ装置。機能ばかりが増えて、いくつもスイッチやボタンを押さないと、使用することができない。視覚的にでしゃばってしまう、落ち着きのないデザインの、昨今の音響機器にご不満の方へ。

私たちがおすすめしたいのは、この「Tivoli Audio "Model One"」。発売から15年以上のロングセラー製品。放送局の多局化が進んだ欧米で、その安定性が認められたラジオ機能を内蔵。さらにiPhoneやiPod、PCと接続して、音楽を楽しむことができるサウンドシステムです。

スピーカーはたった1つ。出力はモノラル。大小の2つのダイヤルと、スイッチが1つ。上質な天然木のキャビネットに身を包んだ、落ち着いた筐体。最新のオーディオ装置とは一線を画したそのデザインに驚かれるかもしれません。しかしここから再生される豊かなサウンドを聴かれたら、もっと驚かれることでしょう。







この「Model One」を作ったのは、オーディオの世界では伝説的な人物として知られる、ヘンリー・クロス。1952年に伝説的なブックシェルフ型高性能スピーカー「AR-1」、1967年に世界初のDolby B搭載カセットデッキ「M200」などを手がけ、その生涯をハイファイオーディオに捧げてきた人物です。

その彼が2000年、70歳の時に取り組んだのが、この「Model One」。オーディオエンジニアとしての生涯で最後のモデルとなったのが、この小さなサウンドシステムでした。

極めてシンプルながら、誰にでも簡単に、最上のサウンドを楽しむための装置を。このテーマに正面から取り組み、そして彼が最後にたどり着いた機器が「Model One」。FMとAMラジオの受信感度が極めて優れていること、iPhoneやiPodなどと接続してクセの無い豊かな音を再生することができること。置き場所を選ばず、複雑な操作を必要としないこと。それが世界中で長く、この「Model One」が愛されてきた理由です。







リビングのテーブルや書斎の机、ベッドサイドにハードカバーの本、たった1冊ぶんのスペースをお作りいただくだけ。サイドボードや本棚に開いた少しのスペースを確保していただくだけで、シンプルにして快適なオーディオシステムの完成です。

取り扱い説明書を参照する必要もないほどの使い勝手の良さ。これが「Model One」の自慢です。例えばラジオを聴く、ということに求められることは、なによりもまずごく微量な電波をも正確に捉える受信能力であり、さらにその高度な受信能力を発揮させることができる操作性でしょう。

大型のチューニングダイヤルは5度ツマミを動かすと1度チューニングが進む「5:1レートダイヤル」を採用。ボリュームと電源・セレクタスイッチだけという、直感的に使用できるコントロールパネルを作り上げました。







莫大な数の放送局がある欧米でその信頼性が認められたラジオ機能の信頼性。ラジオとしては初めて高周波増幅器用のトランジスタ「GaAsMESFET」を採用。さらにFMとAMの独立した信号処理回路を備えて、クリアな受信性能を備えました。

さらにスピーカーには3インチのフルレンジスピーカーを使用。強力マグネットをつかったこのロングスロー3インチドライバーが、精緻な音調バランスと重低音再生を可能にしました。さらに内部には音の特製を保つため内側にMDF製のボックスを作り、この上にさらに木製のキャビネットを組み込みました。また底面にはバスレフの穴が設けられています。これによって、全域に渡ってクリアな音質を再現してくれます。

この「Model One」の15年の評価として、「FMやAM放送のアナウンサーの声が聴き取りやすい」「小さなスピーカーがひとつしかないのに、とても臨場感のある音がする」と世界中の人々から評価され、愛用されてきた理由。それは、これら、ヘンリー・クロスが長年の経験によって蓄積してきたデータと計算、そして思想にあります。

そしてさらに15年を経過して、新しくBluetooth接続の機能を搭載。最新のiPhoneやタブレット、パソコンとの無線接続も可能に。

ワイドFM(FM補完放送)にも対応。AM放送局の放送区域内において、災害対策や難聴対策のためにFM放送用の周波数を利用して、補完的にAM番組を放送。ご利用される環境に合わせてお選びいただくことができるようになりました。














Sizes


幅21.2×奥行き13.3×高さ11cm

Weight


1900グラム

Specifications


スピーカー(モノラル)
:7.6cmフルレンジドライバ搭載
最大出力:7W

電源:AC 100V (50/60Hz)
消費電力:10W

Bluetooth 5.0 対応

AM受信周波数:520〜1629Khz
FM受信周波数:76.0〜95.0MHz
*ワイドFM対応

入出力コネクタ
 外部入力端子(AUX)×1個
 ヘッドフォン端子×1個
 REC OUT端子×1個
 FM外部アンテナ端子×1個
 AM外部アンテナ端子×1個
 AC電源端子(AC/DC電源付属)

Accessories


FM外部アンテナ(スティックタイプ)
電源コード 3メートル
日本語取扱説明書
アフターサービス拠点案内書
1年間の日本国内保証


Designer


Henry Kloss(アメリカ)

Brand Name


Tivoli Audio(アメリカ)


Product Guide


この製品は日本での使用を考慮してFM/AMチューナー等を調整した日本向けモデルです














Size Info


ハードカバー、1冊分の置き場所で設置が可能です。



リビングのテーブルや書斎の机、ベッドサイドにハードカバーの本、たった1冊ぶんのスペースをお作りいただくだけ。横幅は21.2センチ、奥行き13.3センチ。それだけの場所を確保していただくだけで豊かな音楽を楽しんでいただくことができます。さらに現在お使いのiPhoneなどのスマートフォンと接続することで、アンプ&スピーカーとしてお使いいただくことが可能。最新のBluetooth技術によって、無線接続も可能です。サイドボードや本棚に開いた少しのスペースを確保していただくだけで、シンプルにして快適なオーディオシステムの完成です。










外見はまるで1950年代製、といっても通用するほど、シンプルでベイシック。高品質なハンドメイドの木製キャビネットに収められたボディーのデザインは、オーディオ装置というより「家具」に近い存在と言えるでしょう。リビングや書斎、ベッドルームの雰囲気ともすぐに馴染んでくれます。さらにお部屋にあわせて2種類のキャビネットの木材の種類とフェイスの色をお選びいただけます。





















Product Guide


スイッチは1つ。ダイヤルは2つ。
毎日使うものですから、一切の無駄をはぶき、操作を可能な限りシンプルに徹しました。














取り扱い説明書を参照する必要もないほどの使い勝手の良さ。これが「Model One」の自慢です。ラジオを聴く、ということに求められることは、なによりもまずごく微量な電波をも正確に捉える受信能力であり、さらにその高度な受信能力を発揮させることができる操作性でしょう。

この「Model One」にはその操作パネルのレイアウトの右側に、大型チューニングダイヤルを配し、左側のスピーカーグリルとはほぼ対称をなす位置に取り付けられています。そして中央には、音量調整ダイヤルと電源ボタンであり入力切換ボタンを兼用しているつまみを上下対称に。そして電源表示とチューニングの表示用LEDをその間に配しています。

これら「Model One」のシンプルなデザインは、見た目にもすぐれていますが、それは「デザインのためのデザイン」というものでは無く、機能に忠実に従った、機能と一体化したデザインです。









この「Model One」の操作パネルの形状で印象的な、大型のチューニングダイヤル。このダイヤルは「5:1レートダイヤル」というもの。つまり、このダイヤルを5度動かすと1度チューニングが進むというもの。無線機など正確さを要求される機器に搭載されているこのチューニングダイヤル方式を採用することで、正確なアナログチューニングを可能にしています。

このダイヤル方式、莫大な放送局がある欧米での使用を考慮して用意されたもの。ダイヤルを回転させることで線局が行われ、中央のオレンジ色LEDの明るさによって、最も強い信号の位置を確認することができます。ギアダウンした大きなダイヤルの操作性は、昨今のデジタルの押しボタン方式では得ることのできない、体感による使いやすさに徹したアナログ方式の操作性の良さを追求したものです。








チューニングダイヤルの左側にあるのは、ボリューム、そして電源のON/OFFの機能も持った入力切り替えスイッチ。ボリュームスイッチはいったん音量を固定すれば触る必要がないものとして、あえて電源からは独立しました。

また電源のオンオフはあえて入力切り替えの選択スイッチに統合。こちらからFM/AMの選択、さらに外部入力(Bluetoothの受信)の入力切り替えを行います。

スイッチを入れるだけですぐ使える。良い音を聴くために不必要で過剰な機能を一切捨て去ることで、操作ミスをすることもなく、誰でも簡単に気軽にスイッチを入れて使用ができる、「Model One」です。








「Model One」が生まれたその母国、アメリカで大きく評価されているのはそのシンプルな操作性や音質の良さだけではありません。オーディオ雑誌、製品評価雑誌などの製品評で「Model One」が大きく評価されたポイントは、そのラジオの受信性能の良さでした。

欧米に比べてFM放送局の数が少ない日本では、受信機としての性能が厳しい条件にさらされるケースは少ないといえるかもしれません。しかしFM局が林立している欧米では、受信機の感度の性能は大きく問われる部分。「Model One」はその受信性能の向上のため、ラジオとしては初めて搭載されたトランジスタ「GaAsMESFET」を採用。これによって受信感度の向上と、周波数の近いFM局の混信を低減させることに成功しました。

「GaAsMESFET」とは、ガリウムと砒素からなる化合物半導体を用いた金属-半導体電界効果トランジスタ(MESFET:Metal Semiconductor Field Effect Transistor)で、ゲート、ソース、ドレインの3つの電極と、電子の流れるチャネルで構成されます。GaAs(ガリウム砒素)はSi(シリコン)の5倍の電子移動度を持ち、高周波増幅器用のトランジスタとして適しています。この「GaAsMESFET」を世界ではじめてラジオに採用したのが「Model One」です。

これに加えて、FMの受信用には、専用の独立した受信信号処理回路を装備。通常のラジオは、FMとAMを共通の回路で処理するものが一般的ですが、「Model One」ではFM用とAM用に、それぞれ専用に設計された独立した信号処理回路を装備させ、それぞれに特化した信号処理を行っています。また中間周波数の信号を増幅し、音声信号に不必要な部分のノイズ成分を取り除くフィルターを二段備えています。これらの回路を搭載したことで、ノイズの少ない高感度高音質の特性が得られます。「Model One」から聞こえるラジオ放送は、アナウンサーの「声」が自然に聞こえる。それには、これらのテクノロジーに裏付けられた、理由がありました。












Product Guide


放送の「声」が聞き取りやすい。その理由は構造にもありました。






「Model One」は、Tivoli Audioが何よりも大切にしている「音」と「感度」に対する長年にわたる研究から見出した独自の設計になっています。特にその臨場感溢れる音質の秘密は、その構造にあります。開発者のヘンリー・クロスはスピーカー開発エンジニアとして出発したことから、最晩年の「Model One」の設計に際して、自らの業績の集大成として、真に音質の優れた製品を目指しました。

スピーカーには3インチのフルレンジスピーカーを使用しました。強力マグネットをつかったこのロングスロー3インチドライバーが、精緻な音調バランスと重低音再生を可能にしました。

こんなに小さなスピーカーなのに、音量を上げても歪まない。その理由はフルレンジドライバという可聴周波数を表現できるスピーカーを搭載しことにあります。そしてスピーカーの性能を最大限に発揮するために、TivoliAudio独自の設計による通常より大きなマグネットを使用。ストローク(振動)の幅を大きく取れるように設計することで、大音量でも歪みの少ない音質の表現を可能にしました。









さらに「Model One」の低音が自然に良く響く理由。外部からみるとたいへんシンプルな、単なる木製の「箱」に見える「Model One」ですが、実はこの筐体は二重構造です。内側には音の特製を保つためのMDFのボックスが組み込まれており、さらにこの上から木製のキャビネットが取り付けられているのです。

そしてスピーカー・ユニットの背面から出た音をこの木製キャビネットの内側で反射させ、底面の計算された位置に設けたポートから送り出すことで低音域を増強。この構造によって、低音域を自然に増強しながら、音に奥行きを与えています。スピーカーとキャビネットと底面の穴のそれぞれの大きさ、そしてその位置関係。その構造計算には、ヘンリー・クロスが長年してきた研究の蓄積があります。

中音域の音に厚みを持たせることで、人の声が綺麗に聞こえる。バスレフ方式を採用することにより、低音部をきちんと増強する。このような最適なチューニングを施すことによって、使用者が設置や調整に骨を折る必要もなく、置きさえすればそれだけでサイズからは想像もつかない音質で部屋を満たしてくれるようにすること。これが、TivoliAudioの、ヘンリー・クロスのオーディオ機器における基本的な考え方。それをコンパクトボディーで実現したのが、この「Model One」なのです。









Product Guide


ロングセラーの「Model One」が最新の Bluetooth 技術に対応、
ワイヤレスでiPhoneやiPad、パソコンの音声出力を可能にしました。













発売開始以来、なんと10年のロングセラーを続ける「Model One」。そのデザインの良さ、優れた基本性能はそのままに、最新の無線接続技術、Bluetooth機能と搭載しました。

Bluetoothに対応したスマートフォンやタブレットPC、パソコンとの接続がワイヤレスに。これまではケーブルでの接続をしていたこれらの機器からのリスニングも、ワイヤレスに。煩わしいケーブル接続は不要になりました。









下の画面・左側は、iPhoneでの設定画面。いったんデバイスとのペアリングを行うことで、あとは音声の出力先を「Tivoli Bluetooth」に切り替えるだけです。無線接続機能も約10メートルほどから離れた位置からの接続が可能ですから、「Model One」はお好きな場所に置いたままでご利用いただくことができ、手元に機器を置いたままで線局や音量調節が可能です。

iPodやiPhoneの中に入っている音楽を楽しんだり。パソコンからPodcastを聞いたり。Bluetooth搭載で「Model One」の楽しみ方の幅が、いっそう広がりました。

















Product Guide


バックパネルには各種のケーブル接続、アンテナ接続端子を備えています。












「Model One」その背面には、各種のコネクタの接続ポートを備えています。お手持ちのiPodやCDプレーヤーなどをステレオケーブルによって接属するためのコネクタ。ラジオを録音するためのコネクタは、他のオーディオ機器に接続し、この「Model One」を高性能のチューナーとしての利用することも可能にします。また、ヘッドフォン用の接続端子も備えています。

ラジオ放送の受信が困難な地域のために、FMとしては75Ω同軸端子、AM用には外部アンテナ端子を装備しています。







AUX IN端子
:スマートフォンやiPod、CDプレーヤー、コンピュータなどのミニプラグ用コネクタ(6)

ヘッドフォン端子
:ステレオミニプラグのコネクタ(5)

REC OUT
:ラジオ音声を録音する際に接続する録音出力端子。
 他のオーディオ機器に接続することで、高性能のチューナーとして利用することも可能(7)

FM用外部アンテナ接続コネクタ
:受信感度を高めたい時に使用します(3)

FM受信用アンテナ切り替えスイッチ
:FM外部アンテナを使用するときの切換スイッチ(2)

AM用アンテナの接続コネクタ
:市販のAM外部アンテナに接続するためのコネクタ(4)

電源コネクタ
:3メートルのメガネコードが付属しています。
 内部電源を備えていますから、コンセントで邪魔になるACアダプターは不要です(8)


















Material


飽きのこないデザイン。そして高級家具を彷彿とさせる上質な木製キャビネット。
音の良さだけではない、その質感の高さも「Model One」の大きな魅力です。












この「Model One」が基本デザインはそのままで、10年以上ものロングセラーを続け世界で愛されている。その理由は、音の良さはもちろん、その筐体のデザインの美しさと、飽きのこない、質感あふれる木製キャビネットの魅力にも、あるのではないでしょうか。

「Model One」の外装には天然木を使用。下の写真をご覧いただければお分かりのとおり、天板と側面をご覧になっていただくとお分かりのとおり、木目はひとつながりに。高級家具と同じようにつや消しの仕上げで高い質感をそのまま生かし、たいへん美しい仕上げを施しました。

もちろんこの「Model One」はキャビネットをそのままスピーカーボックスとして利用しているため、他の高級スピーカー同様、素材の選択や仕上げはその音の良さを作り上げるためにも重要なこと。つまり木天然木は振動や音をやわらかく吸収しながら、ほどよく共鳴してくれるという特性を持っていることから、余計な振動音を減らし、自然な奥行きのある良質な音を表現するための理由でもあるのです。

「Model One」はウォールナット材、そしてチェリー材の2つの素材からお選びいただくことができます。設置されるお部屋の雰囲気に合わせてお選びください。
















Variations








Tivoli Audio "Model One" BT walnut

本体価格 ¥40,000 (税込価格 ¥44,000)

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ロングセラー製品が最新のBluetooth技術に対応しました






















Message


Tivoli Audioとの出会い   中矢一義






Tivoli Audio のModel Oneとの出会いから6年(開発されてからは8年)になるが、その性能と魅力は一向に色あせることがない。使い捨てにされるような製品開発を嫌ったヘンリー・クロスの精神を象徴する存在である。

2002年ロンドンで数ヶ月滞在する機会を得て、「BBCプロムス」を楽しむことができた。7月中旬から2ヶ月にわたって繰り広げられる、この‘世界最大のクラシック音楽祭’の全コンサートがFM生中継され、主要なコンサートのいくつかはTVで生中継される。ロイヤル・フェスティバル・ホールで聴いたコンサートを翌日のFM再放送で楽しむ贅沢を味わえたのは、Model Oneのお陰だった。ハロッズで出会って、まずその外観に魅了された。ラジオたるものかくあるべしと思わせる、いかにも操作しやすそうなスタイル。そして手にとってみたときの、ハンド・メイドによる木製キャビネットの温もりのある感触と、すぐれた再生音を保証するサイズを裏切るどっしりとした質量感に、迷うことなく買い求めた。

FM放送だけでなく、補助入力端子にポータブルCDプレイヤーをつないで、ディスク再生機としても愛用したが、長時間聴いても少しも疲れない。両掌の上にのるほどのサイズながら、その響きの伸びやかなこと!オーディオで重要なのは、実はサイズではなく、響きのバランスであることを実証するものだ。高額で巨大なシステムであっても、バランスが崩れていては、苦痛な再生音でしかない。Model Oneの絶妙なバランスは、アナウンサーや解説者の声の聴き取りやすさが物語っている。オーディオ・システムの良否を判定するカギは、人間の声。母国語ならば電話のような貧弱な音質でも聴き取れるが、学習によって身につけた外国語の場合、聴き取りやすさと再生装置の音質の良さが正比例することを経験から学んだ一人として、保証できる事実である。

今日Tivoli Audioは様々な製品を発表しているが、Model One がその全ての原点である。Model Oneを‘主題’とすれば、あとの製品は、使う側の様々な求めに応じて産み出された ‘変奏’であり、そこにTivoli Audio製品の一貫性が確立されている。

残念ながら、日本は欧米のように多種多様なFM放送を楽しめる環境にはないが、最近はインターネットを通じて世界各国から発信されている放送を手軽に楽しむことができる。Tivoli Audio製品をPCの音声出力端子につなぎ、そうしたネット放送のもたらす無尽蔵の富を享受するためにも格好の機器である。さらに近年大人気のiPodに代表されるポータブル・オーディオの家庭における最良の伴侶ともなれる製品である。




中矢一義

慶應義塾大学名誉教授。英文学専攻。長年、音楽・レコード・オーディオ専門誌での評論活動に携わる。

1986年、新潟県長岡市に創立された長岡リリックホールにおいて、2002年3月まで初代館長としてさまざまな音楽イベントをプロデュース。とりわけ2001年秋に開館5周年記念として実施された、英オールドバラ音楽祭との共同による「ブリテン《カーリュー・リヴァー》とその原作能《角田川》の同時公演」は、日英両国で高く評価された。ドナルド・キーン教授による『音楽論』(中公文庫)の翻訳のほか『新グローヴ・オペラ事典』(白水社)監修などを手がける。









Product Story


Henry Kloss の業績について











Henry Kloss(ヘンリー・クロス) オーディオ・エンジニア 1929 - 2002



ヘンリー・クロス氏の業績は、ハイファイ・オーディオ・ビジュアルの歴史そのものと言えるでしょう。1952年、マサチューセッツ工科大学(MIT)在学中、FM放送の発明者であり、彼の恩師でもあったメジャー・エドウィン・アームストロングと、MITの研究スタッフの協力により、Acoustic Research社を設立。自宅の屋根裏部屋でエアーサスペンションスピーカーの初代機として伝説的なハイファイスピーカー「AR-1」を世に送り出します。

エアーサスペンションスピーカーとは、密閉したキャビネットにユニットを封じ込めることによって、内部の空気をコーン紙を動かすバネとして活用する方式にことで、それまで豊かな低音再生には低域ユニットとキャビネットの大型化に頼っていた概念を打ち破り、スピーカーの小型化に大きく貢献した方式のこと。同社は「AR-1」につづいて「AR-2」「AR-3」と続けて発表をし発展を続けますが、とくに「AR-3」は大成功をおさめ、日本のメーカーもこれにならい、こぞってエアーサスペンションスピーカー方式の開発、製造に向かわせたきっかけとなるスピーカーとなりました。

1957年にはさらにスピーカー「model 5」「model 6」を発表。さらに史上初の高感度高分離度FMラジオ「Model 8」を発表。1967年、KLH社がミシンで有名なシンガー社に買収されたのを機に、引き続きハイパフォーマンスなラウドスピーカーの研究開発に専念するため、アドヴェント・コーポレーションを創立。

同じ年に、レイ・ドルビーとの共同開発により、世界初のドルビーBノイズリダクションシステム搭載のカセットデッキ「M200」を発表。そしてさらに1973年には世界初のプロジェクション・テレビの製造に成功します。1988年にはケンブリッジサウンドワークスを設立。そのテレビ、オーディオ機器の革新的な発明が評価され、エミー賞を受賞。米CEA (Consumer Electronics Association)よりオーディオ・ホール・オブ・フェイム(オーディオの殿堂)のメンバーに認定。

その後、いったん第一線から身を引いた彼が、旧友のトム・テヴェストが立ち上げたオーディオメーカーTivoli Audio社のために作り上げたのが「Model One」。スピーカーが1つのシンプルなスタイルながら、内部には最新のテクノロジーを搭載したサウンドシステムとして高い評価を得ました。

ヘンリー・クロスは生涯を通じて、つねに消費者の立場を考え、買いやすい価格でありながらも、できるだけ寿命の長い、良質な製品を生み出すことを目指していました。その功績により2000年には、CEA(Consumer Electronics Association 全米家電協会)が、初のこころみとして「オーディオの殿堂」に迎えるに値する50名の功労者の一人として、彼を指名しました。




















FAQ












GaAs MESFETとは、なんでしょうか?


ガリウムと砒素からなる化合物半導体を用いた金属-半導体電界効果トランジスタ(MESFET:Metal Semiconductor Field Effect Transistor)で、ゲート、ソース、ドレインの3つの電極と、電子の流れるチャネルで構成されます。GaAs(ガリウム砒素)はSi(シリコン)の5倍の電子移動度を持ち、高周波増幅器用のトランジスタとして適しています。

このGaAs MESFETを世界ではじめてラジオに採用したのがTivoliAudioで、鉄筋コンクリートの建物内部などでも感度よく受信ができる秘密は、この特殊なトランジスタに秘密があります。



こんなに小さなスピーカーなのに、音量を上げても歪まない、その理由は


フルレンジドライバという可聴周波数を表現できるスピーカーを搭載しています。このTivoliAudio独自の設計によるスピーカーは、大きなマグネットと広いストロークの幅を持っています。これにより、大音量でも歪みの少ない音を表現することができます。



低音が自然に良く響くのはなぜですか?


スピーカー内部の後面方向に出るおとをキャビネットに反射させ、それを底面にある穴に吹き出すことによって低音域を自然に増強しながら、音に奥行きを与えています。スピーカーとキャビネットと底面の穴のそれぞれの大きさ、そして位置関係にヘンリー・クロスの長年の研究による工夫が込められています。



ラジオの声がとても自然に聞こえるのはなぜですか?


通常のラジオは、FMとAMを共通の回路で処理しますが、TivoliAudioのラジオは、FMとAMに、それぞれ専用に設計された、独立した信号処理回路を持ち、それぞれに特化した信号処理を行っています。また中間周波数の信号を増幅し、音声信号に不必要な部分のノイズ成分を取り除くフィルターを二段備えています。これらにより、ノイズの少ない高感度高音質の特性が得られ、アナウンサーなどの「声」が自然に聞こえるのです。



なぜキャビネットに木の素材を使っているのですか?


キャビネットをそのままスピーカーボックスとしての機能を担っている理由ですが、これは木は振動や音をやわらかく吸収しながら、ほどよく共鳴してくれるという特性を持っています。そのため、余計な振動音が少なく、自然な奥行きのある良質な音を表現できるのです。














Product Guide


全米の雑誌、新聞メディアはこのようにTivoli「Model One」を評価しました














「MSNBC」 Gary Krakow

もしあなたがもっとも音質の優れたFM/AMラジオを探しているのなら、ヘンリー・クロス氏が世に送り出した革新的な製品、「Model One」をチェックすべきであろう。


「Elle Magazine」誌

オーディオマニアたちが、この頑丈な箱に入った、ヘンリー・クロス氏がつくった「Model One」のチューニングダイヤルを触ったなら、きっと彼らは所有しているすべてのマシンを放り出してしまいたくなるに違いない。Bluetoothやらの最新技術が入ったテクノロジー・ガジェット真っ青の、高音質性能がこの中には詰まっている。


「US News and World Report」紙

試聴テストをおこなったオフィスは受信状態が悪い場所であったが、「Model One」の音声はたいへん聴き取りやすく、電波の受信状態の良い自宅の寝室で聴いたときと変わらないほどだった。クラッシック音楽、ジャズ、ロック、そしてアナウンサーの声、それらはすべてクリアで、しっかりとしたサウンドを聴かせてくれた。


「Rolling Stone」誌

われわれが「Model One」を試聴して最も印象的だったことは、自宅でつかっているラジオでは到底受信できなかった遠隔地にある放送も、しっかりと受信できる能力を備えていたことだった。


「Stereophile Recommended Component」誌

「Model One」は上品で、暖かみがあって、クリア、そして余裕のあるサウンドでリスナーを楽しませてくれる。試聴の間も私は疲れることなく、ずっとこのサウンドに聴き惚れてしまったほどだ。


「The Boston Globe」紙 Eddie Medina

ヘンリー・クロス氏の創った新しいラジオはCDが搭載されていない。しかしそれがどうしたというのだ?音質面ではボーズの「Wave Radio」を上回っているのだから。


「Sound & Vision」誌

Tivoli社の「Model One」はしっかりした、高音質のモノラル音声をきかせてくれ、高い受信性能を持っている。これらの性能は現在の市場にある製品において、もっとも優れた品質といえるだろう。


「Popular Science」誌

出力が小さく、受信が難しいことで知られている地域のラジオ局がある。ヘンリー・クロス氏が創ったこの「Model One」に搭載された最新鋭の受信装置に組み込まれた「GaAs MESFET」は、それらの放送局からの挑戦状を受けて立つ。


「PC Magazine Bill Howard」誌

「Model One」は使いやすくシンプルな製品の典型ともいえるだろう。それらは、電源スイッチ、ボリューム、そして大型のチューニング・ダイヤルのたった3つの操作系。そしてシングルのスピーカーに木製のキャビネットに代表されている。しかしそのサウンドは上質で、この音声がモノラルであるとは想像できないほどだ。

















Product Guide


「Model One」の原型ともいえる、ヘンリー・クロスの手掛けたオーディオ













オーディオ収集家の方から貴重なコレクションをアシストオンでお借りすることができました。彼のオーディオは「機能と一体化したデザイン」と言われていますが、それを皆さんにご理解いただく参考として、ご覧ください。(すべて非売品です)

上の写真のモデルは、史上初の高感度高分離度FMラジオ、KLH社「Model 8」。「Model One」の発売から先駆けること、その50年前に作られた製品です。チューニング時の視認性を上げるため、文字盤の数字のフォント、黒丸と白丸が交互に振られている目盛りは、現在の「Model One」まで踏襲されているデザインです。











「Model 8」の内部構造。この時代は真空管式だったため、この「Model One」のように同じ筐体にスピーカーを内蔵させることができませんでした。そのため、スピーカーはラジオ本体とまったく同じサイズの筐体として別に用意されており、タテに積み上げたり、並べて配置することが可能なようにデザインされていました。










こちらは同じKLH社の「Model 21」。「Model One」に比較するとずいぶん大きな筐体ですが、それでも回路の小型化によって、1つの木枠の筐体にFMチューナーとアンプのメカ、そしてスピーカーをコンパクトにまとめることに成功しました。「Model One」の基本コンセプトは、すでに1960年代のこのモデルで完成していたことが分かります。