三日坊主にならずに続けられる ワンフレーズで毎日書く、あなたの物語り

丸川商店「日事記」

本体価格 ¥6,000 (税込価格 ¥6,480)

さまざまな出来事や、日々の想いを書き綴っておく「日記」。「土佐日記」のむかしから、小学校の夏休みに描いた「絵日記」、そして現代の「Weblog(ブログ)」まで。私たち日本人にとって日記は、いつの時代においても、たいへん身近で親しみ深いものでした。

事務的なスケジュール帳とは違い、自分が出会った毎日の発見や驚きを書き留める、そして継続してゆく面白さ。そして過去の日記を再び読み返して、あの頃の自分に出会う楽しさ。

そんな「日記」本来の喜びや楽しさを体験していただくために創ったのが、この「日事記」(ひじき)という日記帳。普通の日記帳とはひと味違います。





考えたのは、継続して書き続けていただくための工夫。1日ぶんの記入欄を1行から2行ほどのサイズにして、気楽に毎日、書き進めていただけるようにしました。これなら週末に1週間ぶんをまとめて記入していただくこともできます。

出かけた場所や出会った方、天気や今日の気分だけでもかまいません。気負わず、素直に、でも毎日づつけてゆくことができる。1ページにたくさんの文字を書かなければならないこれまでの日記帳や、ブログなどの誰かに見られることを前提としたネットサービスとは違った楽しさが、この「日事記」にはあります。

日記を綴る楽しみ、醍醐味はなんといっても、過去の自分と出会うことができる、ということ。「日事記」は毎日1ページごと書き進めてゆきますが、1ページには10の記入欄があります。つまり1年目には1段目、2年目には2段目と、10年に渡って楽しむことができる日記帳なのです。

日記を書く度に1年前の自分に出会うことができる。過去の自分に出会うことによって、今の自分が何かを感じ、考えることができる。そして毎年それが積み重なってゆく。

読み返す醍醐味を毎日味わうことで、それが自然と、毎日、日記を付けるモチベーションになる。これが「日事記」です。





最長で10年の間お使いいただくために、「日事記」はその素材と製本には、最高のもの、最高の技術を注ぎました。

使用した「紙」選びに注意したこと。それは、万年筆で書いたときにインクの裏うつりが少なく、ペン先がすべりづらいこと。鉛筆で書いた文字も消しゴムで消しやすいこと。そして、ほどよい厚みがあって、手触りが良いこと。目が疲れない優しい色合いあること。これらの条件を満たすものとして書籍用紙として使われている上質紙である、北越洋紙の「メヌエットホワイト」を選択しました。

製本はすべて製本職人による手作業によって、ひとつひとつ作られています。表紙のプレス、「背」や「溝」の型付けなど、その美しい仕上がりは、この「日事記」を手にとっていただいた時に、注意深くご覧になっていただきたい、大きなポイントです。





毎日手にとって手触りが良く、10年という時間の経過を教えてくれること。さらに書棚やご愛用の机の上に置いて美しい。そして飽きない。これらの条件を満たすため、「日事記」は外装に、江戸時代の人々が愛し、彼らの「粋」と言われる心情を表す素材とまで言われた、木綿生地「松阪もめん」を貼りました。

「松阪もめん」はその名が示す通り、三重県、松阪がその産地。現在では生産量は減り、木綿工場の廃業が続く中、現在では一社で生産されるだけになってしまいました。しかし、伝統的な技法によるその品質の高さは江戸の時代と変わらず、近代的なオートメーションでは無く、手動織機に近い古い機械を使って、丁寧に作られています。

縞(しま)模様が美しい、と言われる松阪もめんですが、この「日事記」は、長くお使いいただくことを考え、あえて「無地の藍」としました。大変な手間と、職人たちの熟練した技、そして藍染めへの深い愛情から生まれる、美しい藍染めをご堪能ください。

加えてオプションとして、同じ松阪もめんでつくったブックマーク「しるべ」をつくりました。こちらのほうは7種類の縞の柄の生地から、お好みにあわせてお選びいただけます。

さぁ、この「丸川商店 日事記」と一緒に、あたなのこれからの10年の物語りをはじめてください。

ご結婚や就職、入学のお祝いにも最適。ご出産のお祝いとしてお贈りいただければ、10年間続けられる「育児日記」として喜ばれることでしょう。























Sizes


タテ21.5×15.5×厚さ3cm

Weight


630グラム

Material


外装:綿100%(松阪もめん)
紙:北越洋紙メヌエットホワイト

Country of Manufacture


日本製

Accessories


日本語の取扱説明書

Designer


丸川竜也

Brand Name


丸川商店

Notes


「しるべ」は生地の裁断場所によって柄の位置は製品、ひとつひとつが異なります






「日事記」の外装に貼られているのは、天然の木綿100%を素材にした「松阪もめん」。

その、深く、美しい藍の色は、古代染色技法である「正藍染」(しょうあいぞめ)を使って染色したもの。使用される藍の温度管理など、一日も手を抜くことはできない厳しい条件の中で、つくりだされます。

書棚から取り出すとき、ページを開く度に触れる優しい肌触り。そして10年間お使いいただくほどに変化してゆく、自然素材のの良さをぜひ体験してください。





Package






本体にパラフィン紙を巻いたもの 製品名を記したおび、日本語による使用解説つき





Product Guide


罫線とページのサイズについて




「日事記」のページの大きさはA5サイズ。ハードカバーの書籍とならべて書棚や机上に並べていただくのに、ちょうど良い大きさです。

日記欄は、1日ぶんの記入欄を1行から2行ほどのサイズにして、気楽に毎日、書き進めていただけるようにしました。これなら週末にまとめて1週間ぶんをまとめて記入することもできます。

出かけた場所や出会ったヒト、天気や今日の気分だけでもかまいません。気負わず、素直に、でも毎日づつけてゆくことができる。これまでの日記帳や、誰かに見せなければ、意見を言わなければならないというブログなどのネットサービスとは違った楽しさが、そこにはあります。





日記をつづる楽しみ、醍醐味はなんといっても、過去の自分と出会うことができること。「日事記」は毎日1ページごと書き進めてゆきますが、1ページには10の記入欄があります。つまり1年目には1段目、2年目には2段目と、10年に渡って楽しむことができる日記帳なのです。

日記を書く度に1年前の自分に出会うことができる。そして毎年それが積み重なってゆく。読み返す醍醐味を毎日味わうことができ、それが自然と、毎日、日記を付けるモチベーションになる。これが「日事記」です。




Product Story



「日事記」に使われている紙と製本について  「日事記」制作者 丸川商店・丸川竜也さん






当初、印刷をお願いした印刷会社からは、日記や手帳には、手帳用紙や帳簿用紙などが一般的だと教えていただき、紙見本を何冊もお借りして実際に手触りや書き心地を試してみましたが、なにかがしっくりきませんでした。

自分でも、実際に文房具店やホームセンターなどをまわり、有名な手帳や事務で使用する帳簿などの用紙を手にしてみましたが、やっぱり、何かが足りません。なんというか、どれも、優等生すぎるというか、はまりすぎているというか、何か居心地の悪い感じが拭い取れませんでした。



日事記には「10年物語」というテーマがあります。1行1行を重ねていった10年は、
その人だけの、世界でひとつの「10年物語」です。

だから僕は、日事記には「本」の佇まいを求めました。そこで再度、印刷会社に相談したところ、
それならば、書籍用紙だねと教えていただきました。早速見本帳をお借りして、何度も手で触れ、実際に、万年筆やボールペン、鉛筆やマーカーなどで書き心地を試してみました。10年使う日記という性格上、万年筆で書かれる方の存在は無視できません。

裏写りが少ないこと、ペン先が無駄にすべらないこと、鉛筆で書いた文字をちゃんと消しゴムで消せること、目が疲れないように白過ぎないこと、それなりの厚みがあることなどを条件に選別していきましたが、なんといっても「手触り」が決め手です。どんなに条件をクリアしていても、手触りがしっくりこなければ意味がありません。いろいろな手帳を見て触ってまわったときに感じた違和感も、やはり手触りでした。

最終的には、印刷会社の意見も参考にして、書籍用紙の「メヌエットホワイト」という紙にしました。少しザラっとした手触りが気に入っています。



表紙は松阪もめんの「藍無地」と決めていました。松阪もめんは縞柄が特徴ではありますが、真っ白な生成りの糸が、藍瓶の中で見事な藍色に染められる工程こそが、松阪もめんとなる最初の1歩であるならば、丸川商店の最初のオリジナル商品である日事記も、まずは無地の藍色に染めてあげたいと思ったのが理由です。

製本にも苦労しました。まず、松阪もめんが熱に弱いことがネックとなり、製本自体には向かない素材であることがわかりました。ですが、製本をお願いした職人が、普段使用している製本機械に、日事記だけの特別な仕掛けをして製本を可能にしてくれたのです。

製本するには、まず、表紙の厚紙に松阪もめんをプレスしなければなりません。ですが、一般的なプレス方法だと温度が高すぎて、松阪もめんの表面が溶けてしまいます。というのも、松阪もめんには糊(のり)がついていて、この糊が、パリッとした風合いを生んでいるのですが、この糊が、ローラーの熱で溶けてしまうのです。そこで、プレス機のローラー部分にカバーを施して、熱が高くなりすぎないように工夫し、通常よりもゆっくりとプレスを掛けていくことで、松阪もめんの溶解を防ぐことができました。



プレスのあとは実際の製本作業に入りますが、ここでも松阪もめんの素材が持つ特徴がネックになります。製本は基本的に多くの工程が手作業によるものです。

特に「背」や「溝」の部分の型付けが製本職人の腕の見せ所ですが、そこをあまり強くこすると松阪もめんの藍色が落ちていってしまいます。それを防ぐためには、力加減に注意し、かつ素早く正確に型付けをしなければなりません。もちろん「花布」や「見返し」、「チリ」や「天」に至るまで、日事記の製本は、どの製本職人が見ても納得の仕上がりです。

日事記はノートの使いやすさ、書き留めやすさをきちんと考えました。必要最低限の情報に留めることで、罫線よりもむしろ「余白」を楽しめるデザインとしました。特に、日付が書かれている上の部分の高さ(広さ)に一番気を使いました。何度もミリ単位で試作して、今の高さになりました。

この位置だ、というときに、ルールや手法はありません。心の中で「カチッ」と音がするのです。罫線をミリ単位で動かしていって、カチッって言った場所が違和感がなく、心地いい場所。こうやって出来上がったのが、「日事記」のシンプルな罫線とレイアウトです。





Options


今日のページをしるしておく、同じ松阪もめんでつくったブックマーク「しるべ」






「日事記」で今日のページの印を付けておくために、同じ松阪もめんをつかってブックマークをつくりました。そのなも「しるべ」。ページのカドに差し込むだけでお使いいただくことができます。

「日事記」はシンプルな紺一色の生地が使われていますが、この「しるべ」に使われているのは、「縞(しま)模様」。実はこれが松阪もめんの真骨頂ともいえる柄。この縞(しま)模様は「松阪縞」と呼ばれ、現在でも歌舞伎の世界で「縞の着物を着ること」を「マツサカを着る」というほど、一般的に知られていました。

かつて江戸時代の庶民が誇りとしていた「粋」という心情。気質や態度、身なりなどがさっぱりとあかぬけしていて、しかも色気があり、無駄に飾りたてず、派手に目立たぬことを彼らは「粋」と呼びました。

少し離れると地味な無地に見えるが、よく見れば繊細なすっきりとした縦縞が走る。そして正藍染めの美しい糸を使い、洗うほどに深みを増す藍の青さを連ねた縞模様。そして素朴な風合い。そして夏は涼しく、冬は温かく、丈夫で使い込むほどに味わいが増し、柔らかな風合いとなる。

江戸時代において「庶民は木綿しか着てはいけない」という制約の中で楽しんだ、そんな「松阪もめん」は、まさに「粋」の象徴とも言える存在であり、日本人の感性と美意識から生み出されたものでした。





薄く白い紙で作られたパッケージにはいっています。「日事記」と一緒にお使いいただくだけではなく、通常の書籍のしおりとしても活躍しますよ。

「しるべ」の柄は全部で7種類。どの柄も「日事記」の紺色とのコントラストが綺麗です。江戸時代の人々によって育まれた独特な模様。あなたのお好きな柄を、この中から探してください。










丸川商店「しるべ」薄紺縞

本体価格 ¥1,200 (税込価格 ¥1,296)

Sizes


6×6cm 2.5グラム

Material


綿100%(松阪もめん) 日本製





丸川商店「しるべ」細縞

本体価格 ¥1,200 (税込価格 ¥1,296)

Sizes


6×6cm 2.5グラム

Material


綿100%(松阪もめん) 日本製





丸川商店「しるべ」混縞

本体価格 ¥1,200 (税込価格 ¥1,296)

Sizes


6×6cm 2.5グラム

Material


綿100%(松阪もめん) 日本製





丸川商店「しるべ」青縞

本体価格 ¥1,200 (税込価格 ¥1,296)

Sizes


6×6cm 2.5グラム

Material


綿100%(松阪もめん) 日本製





丸川商店「しるべ」格子

本体価格 ¥1,200 (税込価格 ¥1,296)

Sizes


6×6cm 2.5グラム

Material


綿100%(松阪もめん) 日本製





丸川商店「しるべ」千縞

本体価格 ¥1,200 (税込価格 ¥1,296)

Sizes


6×6cm 2.5グラム

Material


綿100%(松阪もめん) 日本製





丸川商店「しるべ」針縞

本体価格 ¥1,200 (税込価格 ¥1,296)

Sizes


6×6cm 2.5グラム

Material


綿100%(松阪もめん) 日本製








Recommendations


毎日使うものだから、きちんとしたものを使う このページに登場している万年筆は
LAMY 2000 万年筆

同じ松阪もめんでつくった「松阪もめん Azuma-bukuro」もお勧め






Product Guide


「松阪もめん」について

















松阪もめんの誕生



「松阪もめん」の歴史を語るには、はるか昔、今から1500年以上もの時間をさかのぼることになります。

それは5世紀の後半ごろのこと。大陸・呉国(宋)から招かれた手工業者「漢織(あやはとり)」そして「呉織(くれはとり)」と呼ばれる人々によって伝えたれたのが、紡績の技術。現在の三重県・松阪市に住み着いた彼ら渡来人がもたらしたこの高度な機織り技術によって、松阪は古代の日本における、紡織の一大中心地となります。

さらに15世紀になると、エジプトやインドを原産地とする「木綿」が日本に伝えられます。暖かく丈夫な木綿は「天下の霊財」とまで讃えられました。伊勢平野には水はけの良い肥沃な土地があり、さらに綿の肥料となるイワシがたくさん採れたこと。さらに古代から発達していた高度な紡績技術があったことが結びついて、16世紀初頭に松阪は木綿織りがさかんに行われるようになります。これが「松阪もめん」の誕生です。












江戸時代の超ヒット商品だった松阪もめん



そして江戸時代。松阪もめんの存在が日本全国で広く知られるようになります。そのきっかけになったのは、現在は「三越百貨店」として知られる呉服屋、越後屋の創始者である三井高利(みついたかとし)たち松阪商人たちの才覚。そして松阪もめんを織り上げる松阪の女性職人たちの美意識でした。

松阪出身の商人であり、三井財閥、三越百貨店の創始者である三井高利が江戸に開いた呉服屋「越後屋」。そして同じく松阪商人で現在の「松阪屋」の創業者である太田利兵衛。彼ら松阪商人は「現銀掛値なし」や「切売り」といった画期的な商法を開発。そして高品質な松阪もめんの携え、大都市、江戸でこれを販売することよって、ご存じのように大きな成功を収めます。

松阪から江戸に送られ、松阪商人によって販売された松阪もめんの量は、驚いたことに、なんと年間55万反。当時の江戸の人口が50万人前後。着物1枚を仕立てるために1反の反物が使われるわけですから、つまり毎年、江戸の人口を超える量の松阪もめんが生産され消費されていたということ。このデータからもその販売量の大きさがお分かりでしょう。このようにして、松阪もめんは江戸時代における流行の最先端であり超大ヒット商品として広く知られるようになります。











現在の松阪もめん



松阪もめんは現在でも、昔ながらの製法にこだわった「正藍染」(しょうあいぞめ)によって作られています。

正藍染は江戸時代から伝わる古代染色技法で、「ふすま」「酒」「灰汁(あく)」「石灰」といった素材を使い、伝統の技法によって藍液を作ってゆく方法です。

そして、白い生成りの糸から藍染め、機械織りの行程までを一環して行うのが、松阪もめんの生産です。機械織りといっても近代的なオートメーションでは無く、手動織機に近い古い機械を使って、丁寧に作られています。さらに藍染めについても、使用される藍の温度管理など、一日も手を抜くことはできません。このような大変な手間と、職人たちの熟練した技、そして藍染めへの深い愛情に支えられて、松阪もめんの美しい藍染めは完成します。

木綿の需要が減少した今日では、木綿工場の廃業が相次ぎ、松阪もめんを作ることができる工場は、現在では1社を残すのみ。すでに現在の状況では大量生産を行うことは出来ませんが、しかし、松阪もめんは現在でも昔ながらの伝統技法を守りながら、生産が続けられています。











独特で美しい模様について



松阪もめんの特徴である縦縞は「松阪縞」とも言われ、ベトナムから渡ってきた「柳条布」がそのルーツ。江戸時代にはそのバリエーションは、なんと500柄もあったということです。

この「柳条布」は、文字通り、柳の葉の葉脈のような細い筋模様のこと。「千筋」や「万筋」などと呼ばれる、松阪もめんの最も古典的な柄。現在でも歌舞伎の世界では「縞の着物を着ること」を「マツサカを着る」と呼ぶ、ということ。「松阪もめん」と「縞」の模様がどれだけ深い関係であるこということを物語るエピソードです。

かつて江戸時代の庶民が誇りとしていた「粋」という心情。気質や態度、身なりなどがさっぱりとあかぬけしていて、しかも色気があり、無駄に飾りたてず、派手に目立たぬことを彼らは「粋」と呼びました。

少し離れると地味な無地に見えるが、よく見れば繊細なすっきりとした縦縞が走る。そして正藍染めの美しい糸を使い、洗うほどに深みを増す藍の青さを連ねた縞模様。そして素朴な風合い。そして夏は涼しく、冬は温かく、丈夫で使い込むほどに味わいが増し、柔らかな風合いとなる。

江戸時代において「庶民は木綿しか着てはいけない」という制約の中で楽しんだ、そんな「松阪もめん」は、まさに「粋」の象徴とも言える存在であり、日本人の感性と美意識から生み出されたもの、と言うことが出来るでしょう。














Interview


デザイナー・インタビュー 丸川商店 丸川竜也さんにうかがいました












1972年、三重県松阪市出身。1997年に上京後、独学でデザインを学び、2000年に、様々なアートワークやプロデュースなどを行うデザイン事務所を設立。2008年、自ら企画・デザインした商品を制作・販売するブランドとして「丸川商店」を立ち上げ、三重県の伝統工芸の再興事業に力を入れている。




この製品をつくる、きっかけとなった出来事を教えてください


「日事記」は、ひと言だけ書ける日記帳が欲しくて、いろいろと探してみましたが見当たらず、ならば自分で作ろうと思ったのがきっかけです。日事記という名前は「日々の出来事を記す」という意味で名づけましたが、商品の詳細よりも先に、まずは名前が浮かんできました。

「しるべ」は、もともとは、日事記に合うブックマーク(しおり)としてデザインしました。本やノートのページの角にのせるという、これまでにない独特のフォルムが特徴です。



最終的な製品の形状やデザインが出来上がるまでに気をつけたことを教えてください


「日事記」は、松阪もめんは着物のために作られた木綿ゆえにその幅が決まっていますから、必然的にサイズはA5になりました。表紙には松阪もめんの無地の濃藍のみを使い、優秀な製本職人の方に出会えたことも非常にラッキーでした。計画の当初は、表紙に日事記という文字をエンボス加工しようとかマークを入れようかという話もありましたが、自分が買う側ならば、できれば何も書いてほしくないだろうと思い、その思いのまま、何も記さない今のデザインに決めました。

日記の中も、余計な線や装飾は入れたくなかったので、日付と最低限の罫線だけで構成した、非常にシンプルなデザインになっています。フォントや全体的な雰囲気でお手本にしたのは、事務用の帳簿です。機能にのみ徹した、昔から変わらない独特な機能美がとても好きで、とくにフォントに関しては、いかに「普通」にするかに、かなりの時間と試行を重ねました。

10年日記ということは、当たり前ですが、10年使う日記です。それゆえに表紙やページの強度にはとても気を使いました。製本職人の方と何度も話し合い、贅沢とも言える技法で完成した日事記の製本は、おもわず「美しい!」と叫んでしまったほどの完成度でした。日事記の本領は、むしろ10年経ったあとにこそ発揮されるのかも知れません。

丸川商店のデザインと、松阪で生み出される伝統技術、そして、皇室から名指しで指名されるほどの腕を持つ製本職人とがコラボして生まれた、当店自慢の商品です。


「しるべ」は、スタッフのアイデアで、折り紙のような作り方でいこうと決まりました。松阪もめんの縦縞がきちんと揃う形にするまでが大変で、希望の薄さを実現するのにも苦労しました。

結果的には、金具がないので本やページを痛めないし、その形ゆえに、ずり落ちることもなく、いろんな本やノートにとても合う商品になりました。セットでお付けしている和紙のパッケージの折り方にも、スタッフが考え出したアイデアが活かされています。



AssistOnのお客様にメッセージをお願いします


人生とは、毎日を積み重ねたもの。良い日も悪い日も、その積み重ねが自分の一生を作ります。日事記がおもしろいのは2年目以降。去年の今日は、こんなことがあったとか、こんな気持ちだったのかとか、うれしい日も、何でもない日でも、その記録は人生の記憶になって、確かに今日につながっていることに改めて気づかされます。

やがて10年が経てば、それは間違いなく、世界にひとつだけの「10年物語」。だからこそ日事記は、贈り物としても最適なのだと思います。出産、誕生日、就職、結婚、海外へのおみやげに。大切な人のこの先の10年を、私も同じように大切に想っている、そんな気持ちを日事記は届けてくれるはずです。