てぬコレ新作、8柄を追加しました。シーズン9、今回のテーマは「くだもの」。暑い日も心地よくしてくれる。8組のデザイナーといっしょに作った手ぬぐい。

てぬコレ「くだもの」

「手ぬぐい」の道具としての使い心地の良さは、みなさんよくご存じの通りでしょう。

ぬれた手をふいたり、汗をぬぐったり、台拭きにしたりといった使い方はもちろん。ランチマットとして敷いたり、お弁当のつつみにしたり、荷物が重い時には袋の持ち手に巻いたり。さらには使い古した手ぬぐいは、最後は細く切って棒の先に取り付け、掃除用のはたきとして最後まできちんと使われていました。

綿という素材のもつ風合いの良さや吸水性の良さ。ハンカチよりたっぷりの面積があるのに、タオルのように分厚くならない。手ぬぐいの「ちょうど良いサイズ」は、これひとつあるだけで何でも出来てしまう、という日本人の合理的な生活にふさわしい道具といえるでしょう。

また手ぬぐいは、それを持つ人の美意識やセンスを象徴するものでもあります。自由な服装が選べなかった江戸時代においても、手元にから趣味の良い色柄を取り出す。そして縁起の良い意匠を入れることで、幸運を祈る願いを込めるものとして、手ぬぐいは用と趣味を兼ねた日用品でもありました。







古くは平安時代から神事で使われていたと言われ、鎌倉時代からは一般庶民の生活の必需品として、使い続けられてきた、手ぬぐい。

必要最小限のシンプルなカタチに様々な色柄をあしらうことで、長い歴史の中でずっと、庶民がデザインを楽しんできた持ち物。そんなふうに考えた時に、手ぬぐいを題材に新しいデザインの試みができるのではないだろうか。そんなことを考えました。

そこで出来上がったのが、この「てぬコレ」です。

デザインデレクターの萩原修さんと、100年以上続く奥多摩の呉服屋、栗原呉服店のブランド「きれ屋」、デザイナーのみなさん、そしてアシストオンで企画しました。手ぬぐいのこれからを考えるから、「てぬコレ」です。

2008年の夏からシリーズを開始。グラフィックデザイン、プロダクトデザイン、そして建築と、その最前線で活躍している36組のデザイナーと一緒に、これまでに75種類の「てぬコレ」を作ってきました。

その第9シーズンの2014年・夏バージョン。今回のテーマは「果物」。今回あらたに、8組のデザイナーと、8枚の新作デザインを用意しました。









今回の手ぬぐい制作の染色に使用したのは「注染」(ちゅうせん)という技法。染色の職人さんがひとつひとつ手作業によって染色を行うもので、一般的な印刷などでは表現することのできない、ボカシを基調とした特殊な技法。綿という素材を生かし、独特の風合いをもった色柄に染め上がります。

今回の「てぬコレ」に参加したのは、現代、日本のグラフィックデザインの最先端で活躍されているデザイナーばかり。そんなみなさんとこの「注染」による染色をおこなう手ぬぐいを制作しました。

染色に使用される型紙も、出来上がりの良さや染色の味わいを出すために、手掘りによるものとしました。出来上がったデザインの版下を、そのデザインも持ち味を崩さないよう、伊勢の型紙職人さんが、丁寧にひとつひとつ手作業で彫り上げてくださいました。







もちろん、これら職人さんたちの伝統技法によって手ぬぐいを作る、ということは、Macでデザインした原画をカラープリンターからプリンターで印刷する、といったふうにはなりません。

どのような色合いや意匠が使用できるのか、逆に手作業による型紙の制作や、染色ではどのような表現が可能であるのかを、手ぬぐい制作の現場と対話しながらデザインしました。

また、昨今流行の「和物っぽさ」といった表現にとらわれることなく、「手ぬぐい」という表現手段、「注染」という染色の方法を使って、新しい表現に挑みました。







ポケットやバッグに入れておく手ふき、汗拭きとして。吸湿性が良く、水にぬらしてもさっと乾いてくれる。そして使い込むほどに、独特の柔らかさと風合いが生まれてくる。これまでハンカチやタオルしかご利用になってこなかった方には、ぜひお試しいただきたい使い勝手の良さ、それが手ぬぐいです。

そしてもちろん、時と場所、気分にあわせて自分の好きなデザインが選べるたのしさ。ポケットから、綺麗なデザインを取り出して、さりげなく使う。これは男性のみなさんにもぜひ体験していただきたいこと。こんな行為を江戸時代の人々は「粋」と考えていたのかもしれませんね。

大切な方への贈り物としてもご利用いただけるよう、製品のパッケージもきちんと作りました。綺麗な半透明のトレーシングペーパーでつくった、短冊風「てぬコレ」オリジナルの化粧パッケージに入っています。綺麗な絵柄が下から透けているパッケージですから、ラッピングをせずにそのままお渡しするのが楽しいでしょう。

また、手ぬぐいは日本の伝統的な生活用品。ということで、ぜひ海外の方への贈り物、手土産としてもご利用いただけるように、と考えました。そのため、パッケージの中にはデザイナー自らの作品解説と、手ぬぐいを使用するときの注意事項を日本語と英語で記載し、しおりにして同封しました。

製品はこのパッケージに入った状態でも、わずか50グラムと軽く、薄型ですから、バッグやスーツケースに入れてもかさばりません。日本の手作業による工芸品の品質の高さを知っていただく製品、日本の今のデザイナーによるデザインを感じていただけるアイテム、としてぜひご利用ください。



























8組のデザイナーといっしょに作った、「果実」をテーマにした手ぬぐいです







Producer


企画:萩原修、中村幸代、のぐちようこ
企画 協力:アシストオン

Designer


グラフィックデザイン
:のぐちようこ、中村幸代

Sizes


90×34cm

Weight


約36グラム

Material


綿100%(総理生地)
染色方法:注染(ちゅうせん)技法

Country of Manufacture


日本製

Manufacturer


てぬぐい制作:きれ屋
染色:武藤染工(浜松市)








































Package


贈り物に最適な美しいパッケージにはいっています
さらにそれぞれのデザイナーからのメッセージが記された日本語と英語の解説も付属













トレーシングペーパー製の化粧パッケージ つり下げヒモつき
日本語と英語による、製品の解説とデザイナーの紹介を書いた「しおり型」の解説同封
パッケージサイズ:26×9.5cm  約46グラム









パッケージの中にはデザイナー自らの作品解説と、手ぬぐいを使用するときの注意事項を日本語と英語で記載し、しおりにして同封しました。「てぬコレ」は海外の方への贈り物、手土産にも最適です。












Variations


「果物」をテーマにした新作8枚です







てぬコレ「つぶつぶ ないない」by のぐちようこ

本体価格 ¥1,800 (税込価格 ¥1,944)

Message


つぶ つぶつぶ ならべたよ
ない ないない まるはだか
どちらも なんだか かわいいな
つぶつぶ ないない かわいいな

子に葡萄をあげる時に房から取った粒も残った果軸もどちらもかわいいなと思っていました。そんな葡萄の粒と果軸が並んだ、果物屋さんの包み紙のような図案です。



Designer


のぐちようこ


Profile


武蔵野美術大学基礎デザイン学科卒。Sony Music Groupにて雑貨の商品企画・デザイン、web企画制作を経て、2004年フリーに。

日用雑貨・文具・玩具などのデザインをしています。絵を描いたり言葉遊びもします。時々、母(布のえほん・おもちゃ作家)と創作活動をします。

コドモといっしょの暮らしを考える「コドモノコト」のプロジェクトにコアメンバーとして参加しています。












てぬコレ「石榴文様」by 波多野光

本体価格 ¥1,800 (税込価格 ¥1,944)

Message


ごろんごろんと大胆に、石榴を配置しました。

赤くつやつやした種もすべて、思い切って染め抜きにしてみました。背景色と黒のぼかしで、怪しい石榴の雰囲気を感じていただけると嬉しいです。



Designer


波多野光


Profile


イラストレーター

京都市生まれ 東京在住
イラストレーター
主に野菜や植物をモチーフにイラストレーションを描き、書籍装画、雑誌の挿絵、広告、パッケージ、CMなどのほか
全国の郵便局等で発売の特殊切手「 野菜とくだもの」のイラストを手がける。













てぬコレ「どんぶらこ」by 村田善子

本体価格 ¥1,800 (税込価格 ¥1,944)

Message


どんぶらこ~どんぶらこ~
どんぶらこ~どんぶらこ~

中では桃太郎が出番を待つ
桃はどんぶらこ~どんぶらこ~
流れて行く
流されて行く
その模様

波と桃の模様




Designer


村田善子


Profile


イラストレーター

1977年神奈川生まれ。イラストレーター。
桜美林大学経済学部卒。青山塾イラストレーション科卒
TIS(tokyo illustrators society)公募プロ部門優秀賞。
主に書籍裝画や雑誌表紙、挿絵、絵本などで活動すると同時に、
自身の生活感覚を軸にした作品をつくり、個展等で発表している。













てぬコレ「洋梨は弦の調べ」by 山田タクヒロ

本体価格 ¥1,800 (税込価格 ¥1,944)

Message


ギターにチェロにマンドリン。洋梨たちが奏でるフルーティーなメロディ。

あれれ、よく見るとセクシーなカタチの梨が‥。これはある有名なアーティストの作品へのオマージュです。




Designer


山田タクヒロ


Profile


イラストレーター

73年生まれ。千葉県在住。
テニスとお酒と60~70年代ポップミュージックが好き。あとカレーも。
雑誌や書籍から広告、webにいたるまで幅広く活動中。
中でも表紙イラストを担当した宝島社文庫「読むだけですっきりわかる」シリーズは累計300万部を超える大ヒット中。













てぬコレ「八朔布」by 片岡知子

本体価格 ¥1,800 (税込価格 ¥1,944)

Message


今から140年ほど前のこと、広島の因島で、お寺の和尚さんがおいしいみかんを見つけました。

独特の苦味と、さわやかな風味。これまでになかった味わいです。和尚さんは、このみかんに「八朔」と、名前をつけました。

八朔にまつわる風物のあれこれを、とりあわせて描いた絵柄です。




Designer


片岡知子

Profile


スタンプ作家

1975年カラカス生まれ、東京育ち。大学で彫刻を学ぶ。2004年より「八朔ゴムはん」として活動 開始。ラバースタンプ "ゴムはん"による作品を制作。












てぬコレ「なぁなぁ、食ってもええ?」by 髙安恭介

本体価格 ¥1,800 (税込価格 ¥1,944)

Message


猫はこの匂いが苦手。そのくせ、ときどき「わしにもくれや」と言わんばかりに近づいて来ては、むしゃむしゃと食べはる。食べたいなら食べてええよ。

でも、長生きしてやあ。そんなことを思っていると「何ぃ?今食べとんねん。」くわえたまんま振り向いてくる。あんさん、ほんま自由よねぇ。




Designer


髙安恭介


Profile


イラストレーター

1986年埼玉県所沢市出身、東京都三鷹市在住。
バンタンデザイン研究所デザイン学部DSビジュアリストコース修了。
イラストレーターズ通信会員。
広告、紙雑貨、珈琲のパッケージデザイン等の紙媒体の他、ミュージックビデオ(アニメーション)、お皿の絵付けでも活動中。












てぬコレ「ドリアン」by サダヒロカズノリ

本体価格 ¥1,800 (税込価格 ¥1,944)

Message


世界の三大珍味、フルーツの王様、ドリアン。外皮のトゲトゲがわれわれを拒み、丸くてクリーミーな果実がわれわれを誘います。

イタイ!トロリ!イタイ!トロリ!直線と円が織りなすカタチの魔法をお楽しみください!





Designer


サダヒロカズノリ

Profile


1969年山口県生まれ。イラストレーター、グラフィックデザイナー、アーティスト。

本の装丁から店舗空間のグラフィックまで幅広く活躍する。主な仕事に「ユナイテッド・シネマ前橋」のサイン計画、及び壁面グラフィックなど。

近年は、幼児や知的障害者とのワークショップ、ライブペインティングなど、その活動の幅を広げている。現在、武蔵野美術大学通信教育課程非常勤講師。












てぬコレ「南房総のびわと蝙蝠柄」by 中村幸代

本体価格 ¥1,800 (税込価格 ¥1,944)

注文不可

ただ今、販売をお休みしています

Message


古来より、びわは葉・実・種がすべて薬用になることから、蝙蝠は「蝠」が「福」と同じ発音であることから、縁起のよい文様として多用されています。

南房総には、びわと蝙蝠がたくさん生息しています。この柄はこの土地を思い出し幸せな気持ちになれる、そんなことを願った柄です。





Designer


中村幸代

Profile


WEBデザインを中心にグラフィックデザインなども手掛けています。 富士通デザインセンターにてWEBデザイン、情報端末のインターフェイスなどを手掛ける。

転職後、ソフトバンクコンテンツ事業部にてWEBアートディレクターののち退職。現在はフリーランス。

手ぬぐいのデザインはライフワークとなっています。


















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Options



取り付け簡単 てぬコレをきれいに飾る専用ハンガー

てぬコレハンガー

本体価格 ¥3,800 (税込価格 ¥4,104)

注文不可

メーカー欠品中

てぬコレ・ファンのみなさんから特にご要望が多かった、てぬコレ専用のディスプレイ・ハンガーができました!

留め具はマグネット式になっていて、取り付けも簡単。さらにてぬコレ本体を傷つけることもありませんから、気軽に取り替え、飾りかえができます。

吊り下げ用のヒモは自由な位置で結んでご利用いただけます。

Sizes


幅34×高さ9×厚さ0.6cm
ヒモの長さ約27cm

Weight


32グラム

Material


シナベニア(クリアワックスシアゲ)
磁石、ひも

Country of Manufacture


日本製

Designer


製品:フルスイング
(佐藤界、大野雄二)
パッケージ:のぐちようこ















Notes






本製品は伝統的な手法によって、手染めによって染色されています。染色工程についても何度も染色を繰り返して制作されるものもあるため、多少版がズレたり、柄によっては染まりずらいものがあります。

またデザイン上、あえてぼかしの手法を使用したものがあります。これらについては初期不良ではありません。あらかじめその点をご理解いただき、伝統技法による染め上がりをお楽しみください。

また、使い始めの際には色落ちが大きいため、必ず手洗いをして使い始めるようにしてください。詳しくは「お手入れ方法」をご覧ください。











Maintenance Guide


てぬコレのお手入れ方法について













本品は伝統的な染色方法を用いていますので、使い始めの際には色落ちが激しく発生します。特に黒や紺色のものについておろしたてのジーンズを洗濯したときのように、たくさんの色落ちが発生します。

他の洗濯ものとは一緒にせず、単独で、手洗いをして使い始めるようにしてください。何度か洗ううちに色落ちは落ち着いてきます。その場合は、洗剤やお湯を使うと染料がにじみ出てしまうことがありますので、たっぷりの水の手洗いが良いでしょう。

また、陰干しをすることで色の鮮やかさが長持ちします。軽くシワを伸ばしてから干してください。手ぬぐいは陰干しでも早く乾きます。なお絶対に濡れたまま放置しないようにしてください。

製品の「端」は切りっぱなしとなっています。これは製造上の乾きをよくするためのもので、解けてくる場合はハサミで切り整えてください。端から数ミリのところで自然にほつれは落ち着いてきます。










Material


てぬコレでは古来からの日本の技術をつかい、
日本の職人さんによって、手作業でつくられています













染色方法について

本製品は「注染」(ちゅうせん)という技法によって染色が施されています。特に染色を担当している静岡県浜松市の「浜松注染め」は県郷土工芸品に指定されており、ボカシを基調とした両面染が実現できる特殊な技法をもちいます。

本染めである注染めはすべて手作業で行われるため大変難しく丁寧な作業が求められる染色方法であり、繊細な色彩を表現することが可能な技法です。




生地について

一般の手ぬぐいとして使われる総理生地(文生地)を指定しています。手拭の生地は、両側がミミになっている、巾33~37cmの小巾木綿生地を使用します。

総理生地は厚手で吸水性に優れています。はじめは生地が硬いように感じますが、使っていくうちに柔らかくなっていきます。















Product Guide


この手ぬぐいが出来上がるまで












この「てぬコレ」の手ぬぐいが、どのような行程で出来上がってゆくのか。実際にてぬコレが制作される日程にあわせて、アシストオンのスタッフが制作を引き受けてくださった静岡県浜松市の武藤染工におじゃまをして取材をしてきました。

こちらか、上のイラストをクリックすると拡大します














Product Story







てぬコレ


てぬぐいとコレカラ何しよう?
てぬコレは、てぬぐいのコレカラを楽しむ場です。

伝統的で日本的な『てぬぐい』の良さを活かしながら、
新しい時代の『てぬぐい』を提案していきます。

つくる現場を見つめ、くらしに寄り添いながら、
クリエーターの創造力で生まれる新しいてぬぐいのデザインを
手にとってもらえるとうれしいです。

プロデュースに萩原修、中村幸代、のぐちようこ、
制作にきれ屋、
企画協力にアシストオン、
そしてデザイナーのみなさんで
力をあわせてつくっています。










Producer








東京奥多摩、五日市に明治35年に創業、100年以上続く呉服屋、栗原呉服店。

その栗原呉服店が築120年の町屋をいかし、人が集える場所として2003年に和小物とカフェを扱うお店としてできたのが、きれ屋である。

1980年代ころまでは五日市に4、5件あった呉服屋も、着物の需要も減ったことから現在は栗原呉服店の1軒残すのみ。そこで栗原呉服店の4代目である安藤諭(下の写真・右側)が「着物をはじめ日本の伝統的ものをもっと身近に感じ、親しんでもらいたい。呉服やの敷居を低くしたい」という思いから作られた。

2004年にはデザイナーと組んで、オリジナルのてぬぐいを作り開始。現在では、五日市の中心に、作り醤油屋やパン屋といった地元のお店や企業の個性を引き出し、PRとなるようなてぬぐい制作を行っている。www.kireya.com














Producer



萩原修





デザインディレクター 家具や日用品、生活の中のさまざまな展覧会のプロデュース、そしてデザインに関する本の執筆や編集などもされ、東京都の国立市にある「つくし文具店」の店主でもある。

日本を代表するデザイナーから若手デザイナーまで、皆を巻き込んで新しいことを企画している。著書に「9坪の家」「デザインスタンス」「コドモのどうぐばこ」などがある。










Product Guide


手ぬぐいの歴史と使い方      text by 中村幸代











手ぬぐいのことを古語で「太乃巳比」(たのこひ)といい、古くは古墳時代にまでさかのぼります。当時は神事のひとつとして、絹や麻でした。古墳から発掘された埴輪にも鉢巻きとして使われているものが見られます。お祭りにさらしを使っているのは昔も同じです。その後は安土桃山時代〜江戸時代にかけて広く使われていた方法として、武士がカブトの下に汗止めとして使っていたようです。

江戸時代に入り、綿の栽培がさかんになると手ぬぐい文化が花開きます。歌舞伎役者が自分の名前を入れた手ぬぐいが流行して、庶民は憧れの歌舞伎役者の手ぬぐいを持つことがステータスとなりました。もちろんこれは歌舞伎役者のよいプロモーションになりました。

当時は女性の髪型は高島田、男性の髪型は銀杏髷(いちょうまげ)など風で崩れやすかったので、頭にかぶって髪型を保護したり。これは流行のファッションでもありました。こうした様子はよく浮世絵にも描かれています。

また、旅に出る人にとっての必需品であったのも、手ぬぐいでした。二本以上持っていくのが常識で、傘の下に被るのを「ふきかけ手ぬぐい」といって、日よけや腰巻、道中差し(護身用の小刀)の柄に巻いたり、振り分けの荷物の紐、急場の包帯、目印の旗にもなりました。

鼻緒が切れたときに応急処置として、手ぬぐいを切って(切り易いように端がきりっぱなしなのは、このためでもあります。)使っていました。「鼻緒が切れてよろめいたご婦人を、たまたま居合わせた殿方が助けて、2人の間に恋が芽生える…」というのは、昔のお話にもありますね。

きりっぱなしにはほかにも理由があります。端を縫っていないことでかわきが早いのです。現代とちがってまだまだ綿の貴重な江戸時代は、庶民はそれほど綿を持っておらず、すぐに乾くことが重要でした。また、もともと手ぬぐいは古くなった浴衣を切っていました。人々は浴衣を1年表で着て、1年裏で着ていたそうです。 そのため裏表がまったく同じに染まる注染(ちゅうせん)という技法が生まれたようです。






江戸時代には山東京伝(さんとうきょうでん)という絵師であり、戯作者がいました。

天明四年(1784)、江戸で売れっ子の戯作者謙浮世絵師・山東京伝がシャレた会を開き、わが国初めての「たなくひあはせ」というコンテストを開催しました。絵師や戯作者、妓楼の楼主、おいらん、そして大名まで・・・、身分も職業も超えて一堂に会し、それぞれ自分でデザインしたてぬぐいを持ち寄りました。上野のお寺で開かれたそうです。

手ぬぐいはそれまでは反物として売られていました。お客さんの要望に応じて切り売りされていたようです。それをはじめから切り売りしたのはこれが初めて。山東京伝の粋なデザインに江戸っ子っが飛びつき、これも手ぬぐいブームの火付け役となりました。

この展示会は戦争が始まるまで続いていたようです。戦争によって綿をすべて軍に支給しなければならなくなったため、中止にせざるを得なくなったということです。

戦後、綿が庶民のもとに戻り、再び手ぬぐいが使われるようになりました。この時代の手ぬぐいは実用的な使い方をされていて、新年のご挨拶としてお店からいただく→お店の名前が入っているものなので家庭で使う(デザインもいまいちなものが多い)→ふきん、おしめ、ハタキなどに多く使われていたようです。