2000年原宿生まれのa++なショップ、アシストオン

みんなでつくる! 集文社ペーパークラフトの世界

アシストオン原宿店  2007年5月4日 - 5月31日(終了しました)

できあがったペーパークラフトには、紙だけにしかない、独特な風合いややわらかさがあります

雑誌の付録などで、誰もが一度は体験したことのある「ペーパークラフト」づくり。

印刷されたパーツをカッターやハサミで丁寧に切り抜き、くみ上げてゆく。完成した形を思い浮かべ、わくわくしながら切り抜き、ペーパーボンドで貼り付けてゆけば、真っ平らだった紙という存在が立体に組み上がり、そして完成に近づいてゆく。そして出来上がったものには、紙だけが持つ風合いがある。そんな、通常の玩具や、プラモデルにはない、パーパークラフト独自の楽しみは、すでにみなさん良くご存じでしょう。

集文社という出版社があります。建築家や建築に興味がある方なら誰でも手に取ったことがあるル・コルビジェの名著「小さな家」の翻訳版を手がけている建築関連の出版社である同社は、この春の最新作を含めると150点という莫大な量のペーパークラフトを編集し出版し続けている日本最大のペーパークラフトのメーカーでもあります。

図面や3Dだけでは表現しきれない建築物の魅力を伝えるため、藤森照信氏の監修と解説が付属した「東京駅旧駅舎」からスタートしたペーパークラフトのシリーズは建築物だけに留まることなく、日本丸やHarley-Davidsonのオートバイなどの乗り物の精密モデル、これまでのペーパークラフトの概念を変えてしまうほど精巧な「白鳥」や「丹頂」などの野鳥シリーズなどを次々に製作。さらには小さな子供たちにもペーパークラフトを楽しむことができる昆虫や恐竜のシリーズも登場。さらには最新作では「ムーミン谷の仲間」など女性にも楽しんでいただけるモデルまで登場し、大人から子供まで、年齢や性別を超えた魅力あるペーパークラフトの製作に意欲的に取り組んでこられました。

今回のAssistOn inFocusでは、この今年で35周年を迎える集文社のペーパークラフトを特集します。150点がアシストオンに勢揃いです。

400以上のパーツからできあがった精密な建築物や乗り物などの完成品も特別展示。建築模型から小さなお子さんでも楽しめるものまで、ご家庭である道具で気軽に始められるペーパークラフト。大きいものでは、日本の建築物の歴史にこの存在をなしには語ることができない「桂離宮」。1/100スケールでつくることができ、屋根も取り外せるので、普段はみることができない角度から建築物を眺めることができます。他にも、機関車や帆船 日本丸、40歳以上の方には懐かしい六輪のレーシングカー「タイレル」などなど。そいて小さいお子様にも楽しんでいただくことができる、動物や昆虫、恐竜。さらにフィンランド生まれのムーミン谷の仲間たちにも出会あうことができます。

この機会にぜひ、集文社のペーパークラフトの魅力に触れてださい。

inFocus vol.018
みんなでつくる!
集文社ペーパークラフトの世界

期間:2007年5月4日から5月31日まで(終了しました)
  (毎週水曜日はお休み)
場所:アシストオン原宿店
主催:AssistOn 集文社


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集文社のペーパークラフトは通信販売でもお求めいただけます

全アイテム150種類の中から、名建築シリーズ、北原玩具コレクション、そしてムーミン谷の仲間の6製品は、アシストオンの通信販売でもご購入いただけます

>>LINK:AssistOn通信販売でご購入いただける全製品

集文社 訪問記













集文社は建築関連の専門出版社としても有名で、コルビジェの著作「小さな家」の翻訳書も同社の出版物のひとつ













ハサミやノリなしで、小さなお子様でも楽しむことができる動物シリーズ「きりん」















ペーパークラフトだけではなく、塗り絵も楽しむことができるものもあります






横浜市のキャラクター「ブルー・ダル」のからくりペーパークラフト








コカコーラー社の特別オマケ(非売品)も同社が製作しました







鬼太郎とスナフキンのツーショット!













最新作のひとつ、鬼太郎シリーズ







ペーパーモデルアート「C62-2」







これもペーパークラフトです、「野鳥シリーズ 白鳥」







「東京駅駅舎」 開閉式で室内も作り込まれています








「東京都庁」 建物だけではなく、下を走る道路の立体交差も再現







「ムーミン谷の仲間たち」 手のひらに乗るミー








おなじく「ムーミン谷の仲間たち」 ムーミン屋敷は上質紙でつくります









「紙でつくる北原玩具コレクション」 ブリキロボットは動きもきちんと再現されます

集文社は、1972年(昭和47年)に建築関係専門の出版社としてスタートしました。その後、子供向けの絵本やペーパークラフトを手がけられ、現在ではその数、150点というたくさんのペーパークラフトを編集、出版されるこの分野では日本を代表する出版社となっています。

集文社は大学や出版社が点在する、お茶の水にあります。訪問当日は春のしっとりとした雨にぬれながら、「聖橋」をのぞみ、学生やビジネスマンが行き交うなかを10分ほどを歩いてたどり着きました。

今年で創立35周年になる株式会社集文社の代表取締役、古関喜朗さんに、にこやかに出迎えていただき、ペーパークラフトがずらりと並ぶ、会議室でお話しをうかがいました。

集文社のはじまり

1972年の39才の時に「良い企画(文章)が集まる会社」になるようにと、社名を「集文社」として、出版社を立ち上げました。それまでは、建築・土木関係専門の出版社に勤めていて、もともと建築のつくられていく過程が好きだったんです。

1970年頃、日本で海外の建築関連の本というとアメリカのものばかりで、ヨーロッパのものはあまりなかったんですね。アメリカの建築物といえば、広大な敷地に建つものが多く、日本の風土には参考にならない、と以前から思っていたんです。

会社設立当初は一から企画を練っていくものでは、お金と時間もかかってしまうため、これまでの仕事の経験も活かせる、建築関連の翻訳した本を作ろうと思ったんです。すぐにヨーロッパへ向かいましたね。そこで、僕は「ペーパークラフト」というものに出会ったんです。

ペーパークラフトとの出会い

建築関連の翻訳本の出版のため、フランスやスペイン、オランダなどヨーロッパへ何度か行くようになり、訪れる度に建築物をはじめ、様々なペーパークラフトを買ってきては作っていました。文字なんか読めなくても、図や写真を見ながら、考えて作るのが面白いんです。日本にいても、建築関係の知人からもお土産でもらったり、いつしか自分自身の趣味として夢中になっていきましたね。

日本ではペーパークラフトというと、製品というよりも「付録」などのおまけ的に認識されてしまうのですが、ヨーロッパでは出版社が作っていて、人気もあるから、種類もたくさんあるんですよ。

そのうちに、「なぜ、日本にはちゃんとしたペーパークラフトがないんだろう?」と思うようになりました。まわりの人からも「集文社で作ればいいのに」と、言われるようになっていたので、それではと、自分のところで作ることのしたんですね。

今では、日本国内だけではなく、オランダ、スイス、シンガポール、オーストラリア、アメリカ、韓国などの海外でも販売されるようになり、すっかりペーパークラフトの専門の会社になってしまった、というのが現状ですね。企業からノベルティーの依頼もあり、企画することもあるんですよ。

自分がつくりたいものをつくる・楽しんでつくる

1972年会社を立ち上げ、しばらくは建築業界の景気が良かったこともあって、建築関連の専門の本を出版していました。10年ほど経った1980年代は、建築業界の景気が停滞しはじめてきた時期でした。そこで、今後の会社の方向性を考えたときに、建築関連の翻訳本や専門書だけではなく、別の基軸もつくっていかなければ、と考えたんです。今までの大人だけが読むものではなく、子供向けのものを作りたい。それと、趣味であったペーパークラフトもね。

僕はいつも、今までにないようなもの、集文社しか作らないものを作りたい、と思っているんです。一時のブームのようなもの作りではなくて、建築物や建築関連の本のように、ずっと残るものを作っていきたいんです。小さい会社なので長くやっていくには、他にはないもの、自分が作りたいものを作ることだと思っています。当然、苦労することもありますが、その分、自分自身も楽しく取り組めるんです。

まだまだ、作りたいものが山ほどあります。全てはできないので、夢を思い描きながら、長く親しんでもらえて、ずっと残るものを作っていきたいんですね。

最初のペーパークラフト 東京駅舎

僕はこの「クラシック・ステーション東京駅」が一番好きですね。苦労した分、思い入れもありますね。 最初に手掛けたペーパークラフトが、この東京駅だったんですが、実は企画から1988年の発売になるまでには2年半くらいかかってしまったんです。

なぜ、そんなに時間がかかってしまったかというと、実は、図面がなかなか揃わなかったんです。平面図や駅舎の正面の図面や写真はあっても、駅舎の裏側の資料がなくて、写真からレンガの数を数えて、寸法を測ったりしていました。それに、当時はまだ、今のようにMacを使う人もほとんどいなかったので、手描きしたものを写しているんです。この東京駅は紙に線を描き、水彩絵の具で彩色しているので、よく見ると、濃いところと薄いところがあって、特にレンガを積み上げている線のところは風合いがあるんですよ。

今、建っている実際の東京駅は2階建てですが、この「クラシック・ステーション東京駅」は3階建てになっているんです。東京駅が開業した当時のもので作っているので、丸いドーム屋根にもなっているんですよ。外して内部を見ることもできるんです。

2011年(平成23年)には、東京駅が開業当時のものに復元されるそうなので、それまで、このペーパークラフトで楽しんでもらいたいですね。

紙でつくる北原玩具コレクション

ペーパークラフトというとは建物や生き物がほとんどでしたので、もっと気軽に、多くの方に楽しんでもらいたい。大人から子供まで親しみが持てるようなものは作れないか、と考えていたんです。

そんなとき、もともとブリキのおもちゃのファンでもあった、ペーパークラフトのデザイナー坂さんと話をする機会がありまして、ブリキのおもちゃを紙で作ったら面白いのではないか、ということになったんです。そのあとで、ブリキのおもちゃ博物館長の北原照久さんを訪ねて、監修をしていただけることになったんです。

からくりの素

紙でつくるムーミン谷の仲間たちや北原コレクションを作ったデザイナーの坂さんが、以前から、からくりで動くペーパークラフトを作っていたんです。作っているうちに、動くしくみの基礎ができてきたそうなんです。手にした方がオリジナルのペーパークラフトを楽しめるような、からくりの部分だけをまとめたものを作りませんか、と坂さんから提案がありました。僕もものづくりが好きなので、では作りましょう、とすぐに話が進みました。

この「からくりの素」がある程度でき上がり、会社で組み立ててみたり、いろいろと検討していました。ちょうど来訪された、重工業の会社にいらっしゃる方が試作を見て「これは、工業機械の素になるところだよ」と言われたんです。このことばで、つくる意欲がさらに湧いてきましたね。

多くの方に受け入れてもらえるかは、まだ分かりませんが、今年で創立35周年を迎えることができ、その記念出版として、面白い内容のものができたと思っています。

最後に

同じ紙でつくられた読む本は、読んだしまったらおしまいですが、ペーパークラフトは、切り取って、組み立てる。形が残るから、出来上がった後に飾ったり、眺めて楽しむことができます。動かすことができるものもあります。

ペーパークラフトは、ご家庭であるような道具で、気軽に始めることができるので、ぜひ、いろいろと挑戦していただきたい。そして、皆さんに作る楽しみを味わってもらいたいですね。

インタビューを終えて

ペーパークラフトに囲まれながら、古関さんのお話しをうかがううちに、私自身、こどもの頃に夢中になって遊んだ、どこか懐かしくも、楽しかった記憶がふと、よみがえってきました。

自分が楽しんで作ったものを、多くの方にも感じてもらいたい。純粋に作っていく楽しさ、面白さを伝えていきたいのだと、目を細めて語る古関さんの顔をみて、そう思いました。

今年で35周年を迎える集文社は、夏以降には手塚治虫さんのジャングル大帝やスヌーピーのペーパークラフトの発売を予定されています。今後も親しみある製品が、多くの方々の手で作られ、楽しまれていくことでしょう。

今回の展示会では、集文社のペーパークラフトが150点勢揃いします。夢中になって楽しんだ幼い頃を思い出しながら、ひとつの趣味として、気軽につくる楽しみを手に入れていただけたら、と思います。

店頭では完成品の展示もあり、代表的な日本建築のひとつである桂離宮の書院群の1/100スケールや機関車や帆船 日本丸、レーシングカー タイレル。小さいものでは動物や昆虫、恐竜。ゲゲゲの鬼太郎やフィンランド生まれのムーミン谷の仲間たちにも出会えます。この機会に自分で作り上げていく楽しみとペーパークラフトの迫力に触れてください。



インタビュー 斉藤有紀(AssistOn)2007.05.03

掲載した写真、およびインタビューテキストはAssistOnが独自に撮影、製作したもの、もしくは株式会社集文社から特別に許可を取得し掲載しています。無断転載を禁じます。

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inFocus は、展示会やwebによる情報発信を通じ、いま、まさに旬のさまざまなデザインにAssistOn独自の視点でフォーカスするシリーズです。どうぞご期待ください。