「ベニシアの手作りくらし」で紹介されました。江戸の人々が、子供の健康と安全を願ったデザインを現代によみがえらせました。

背守り 練習帳

NHKの番組中で紹介されました

子供や赤ちゃんの背中を守る、それが「背守り」。いつしか忘れ去られた存在ですが、江戸時代や昭和の初期には、私たち庶民の間では、広く知られた習慣。

産まれたばかりの命は失われやすく、この尊い命を守るため、人々は祈りと願いを込めて、さまざまな形で祈りの「しるし」を産着や祝い着に付けました。お花、トンボ、コウモリ、鶴、扇などの様々なデザイン。それらは魔除けとして、子供らの魂を守る意味を持っています。

大人の着物には背中に1本の縫い目が必ずあり、その背中の「目」が魔物をにらんで退散させる力があるとされていました。しかし小さな子供の着物には縫い目が無い。そこで魔物をにらみつける目として縫い付けられたのが「背守り」でした。





この「背守り」は時代や地域ごとに様々な模様がつくられ、徐々に装飾的になってゆきます。しかしそこには等しく子供が健やかに育つようにと願う、母の気持ちが込められ、ひと針、ひと針、家庭の手仕事としてつくられていました。

このような、今は失われてしまった「背守り」の風習を知り、実際に針と糸を持って試していただくことができるのが、この「背守り 練習帳」です。

子供の健康を祈る気持ちを形にした「背守り」のデザインパターンを48種類、紹介。それぞれの図案の意味、そして実際の縫い方もくわしく解説。もちろん「背守り」の歴史的な意味などの詳細もわかる、全128ページの付属の解説書が付いています。

さらに実際に縫うために必要な、針や糸、練習用の台紙も用意。針は穴が大きくて、先があまり尖っていないクロスステッチ用。糸は若草色、紅色、紫色の3色で、江戸時代から昭和初期まで使われていた古い糸巻きを模してデザインしました。さら実際に縫って練習していただくための丸カード、針を刺すための下敷きになる段ボールまでをセットにしました。




このように必要な知識から、実際の制作までに必要な最低限の道具がこのパッケージの中に入っています。ご自身で楽しんでいただくことはもちろん、手芸の好きな方への贈り物、お子様が生まれた方へのプレゼントにも最適な上品なパッケージに入っています。

慣れてきたら、身のまわりのモノにも「背守り」を刺して楽しんでください。小布やリボン、布テープ、フェルト、さらにはアップリケに。フェルトの室内履きやシャツの背中、靴下、コースターなど。

ちょっと縫い目が不揃いでも、かえってそのたどたどしたが愛らしいくらい。既製品でもちょっと気持ちを込めたプレゼントに早変わりです。

















Sizes


パッケージサイズ
:高さ15.5×幅14×厚さ2.5cm

Weight


パッケージ総重量
:220グラム

Contents


ブックレット(128ページ)
型紙(48種類)
糸(3種類)、針、薄紙
丸い紙(4枚)、下敷き用段ボール

Country of Manufacture


日本製

Author


下中菜穂(しもなかなほ)


Media Attentions


2010年12月-2011年1月 NHK
「猫のしっぽカエルの手〜京都大原ベニシアの手作りくらし」

Recommendations


おなじ著者の「紋きりあそび「風」之巻」もお勧め













Contents


「背守り」についての知識と方法がわかる128ページの解説書、
そして針、3色の糸や台紙など、必要なものがすべて入っています








このパッケージの中には「背守り」を練習するために必要なモノが、すべて入っています。「背守り」についての解説が書かれたブックレットは、全128ページ。くわしい解説と図解で、その歴史の解説や、実際の縫い方、楽しみ方を紹介しています。

また「背守り」の図案集である型紙は、全部で48種類を紹介。お好きなデザインを選んで挑戦してください。

さらに実際に縫うために必要な、針や糸、練習用の台紙も用意。針は穴が大きくて、先があまり尖っていないクロスステッチ用。糸は若草色、紅色、紫色の3色で、江戸時代から昭和初期まで使われていた古い糸巻きを模してデザインしました。さら実際に縫って練習していただくための丸カード、針を刺すための下敷きになる段ボールまでをセットにしました。

このように必要な知識から、実際の制作までに必要な最低限の道具がこのパッケージの中に入っています。ご自身で楽しんでいただくことはもちろん、手芸の好きな方への贈り物、お子様が生まれた方へのプレゼントにも最適です。








Product Guide


美しいパッケージに入っています






この「背守り 練習帳」は、背守りの図案を描いたとても美しいパッケージに入っています。赤色の帯は外すことができますから、内容を取り出した後は、糸や型紙などを収納しておくための入れ物としてご利用ください。





Contents


「背守りの歴史」から、図案の意味、実際の楽しみ方までがすべて分かる
全128ページのくわしい解説書が付属しています









子供の着物、特に祝い着には、親の願いや祈りが文様という形で表されてきました。特にその子の将来を言祝ぐ(ことはぐ)「宝づくし」模様は広く愛されてきた模様です。このような「背守り」についての歴史的観点、さらにそれぞれの図版の種類とその意味を、このブックレットでは、くわしく解説しています。




こちらは実践編のページ。必要な道具として糸、そして針はどのようなものが最適なのかを解説しています。糸はパッケージに3色が付属していますが、お好みにあわせて、手持ちのものと組み合わせてご利用ください。「背守り」には刺繍糸が最適ですが、木綿糸や絹糸を何本か束にして使ってもよいでしょう。




まずは紙に刺してみましょう。型紙の上に紙を乗せて、鉛筆で写しとって、画鋲などで穴を開けてから刺します。このように実践編では、わかりやすいイラストと説明で解説されていますので、これまで刺繍や手芸をやったことの無い方でも気軽に挑戦できます。





それでは実際に糸を通してゆきます。基本は返し縫い。一筆書きの手順で模様をつくってゆくわけですが、通し方も番号で記してあります。まるでパズルを解くように進めてゆくことができ、完成した時の達成感は、なかなかのもの。






Contents


図案は全部で48種類 見やすいよう、一枚の別紙にまとめられています






この「背守り 練習帳」に収録されている図案は、全部で48種類。これらの雛形(ひながた・見本帳)は江戸時代から昭和の初期には祖母から母へと伝えられ、引き継がれてきたものでした。

この練習帳ではそれぞれの図案に加えて、その意味も解説。さらにブックレットとは別に48種類をすべて収録した型紙集を付属しました。別の紙を上から重ねて写しとってからお使いください。






Product Guide


背守りを気軽に楽しむ





小布やリボン、布テープ、フェルト、さらにはアップリケに。フェルトの室内履きやシャツの背中、靴下、コースターなど。気軽に背守りを刺して楽しんでみましょう。

ちょっと縫い目が不揃いでも、かえってそのたどたどしたが愛らしいくらい。既製品でもちょっと気持ちを込めたプレゼントに早変わりです。












Interview


デザイナー・インタビュー 下中菜穂さんにうかがいました







この製品をつくる、きっかけとなった出来事を教えてください

「背守り」の雛形を初めて見たのは「昭和のくらし博物館」でした。昭和の初期の庶民の住宅を中の家財道具ごと保存したこの博物館はすこし前まであった暮しの息遣いと記憶に満ちています。そこにあるのはささやかで消えやすく、しかし人々が丁寧にちゃんと生きていたことの証の品々。その展示物の中に「背守り」の見本帳がありました。紙に色糸で縫い刺した愛らしい図案がたくさん並んでいます。

それは、かつて母親達が幼いこどものために着物の背中に縫った魔除けのしるしでした。魔は背中から忍び寄る。人々はそんなふうに考え、こどもの着物の背にこれらのしるしを縫い付けました。大人の着物には一本縫い目が通っていて、それが魔を睨んで身体を 守るけれど、小さなこどものの着物の背には縫い目がなく、そして子供の命は失われやすかったのです。江戸時代の風俗画にもみられ、ちょっと前の時代まで広く行われていた風習でした。

その糸目の持つ不思議な力、込められた思いの力には今の暮らしには失われた何かがある。「背守り」のことをもっと知りたい!あれこれ調べるうちに、モノがモノを呼び、人を呼ぶ。祖先達がどんなものに力を感じてきたかを調べて行くと、そこには祖先達の生と死を巡る哲学、「生きるため」の叡智があるのだということを知りました。そのような軌跡が、この小さな本に結実しました。この本は「背守り」をめぐるフィールドノートと言ってよいかもしれません。


私達エクスプランテは「もんきりあそび」という切り紙を通じて、祖先達があたため育ててきた「かたち」を遊び、暮らしの中で楽しむ文化をの復権に努めてきました。

「背守り」もまた「かたち」の力を信じ、「かたち」をとおして思いを伝えてきた祖先達の遺産です。「もんきりあそび」と同様に、ただ知識としてだけではなく実際にやってみることが大切なのだと思い、本と型紙、針や糸をセットした本書を企画しました。





最終的な製品の形状やデザインが出来上がるまでに気をつけたことを教えてください

考えてみればいつの間にか私達の暮らしは「手仕事」から遠くなってしまいました。もしかしたら、「お針箱」を持っている人も少ないのかもしれません。「背守り」のことを知るだけではなく、「ちょっと針と糸を持ってみようかな」そんなふうに思っていただけたらと、針、糸もセットして、かわい い紙箱におさめました。そのままお針箱として使えます。

古い背守り見本帳や実際の着物、文献などを見ると、「背守り」の 多くは直線で構成され、細かいステッチではなく長い糸がそのまま渡っています。和服は平面で構成されていること、頻繁に洗濯をしなかったことも あり、それでも柄が崩れたり痛んだりが少なかったのです。しかし、このまま今の私達の衣服に刺すと、ひっかけたり洗濯に よって崩れたりしてしまいそうでした。

そこで、古い見本帳を参考に、厚紙に刺してみると、これが案外おもしろい!そのうえ、初めてで、ちょっと針仕事に自信がないなあという人でも簡単に楽しめます。

まずは、型紙と厚紙を重ね、画鋲のようなもので図案にそって穴を 開け、その穴をつなぐように糸で綴っていきます。できたものはカードなど工夫次第でいろいろ使えそうです。

こういう訳で、まずは「背守り」入門編としては『紙に刺す』という工作感覚な方法をおすすめすることにしました。なんだか、星をつないで星座をつくっていくみたい!ちょっと、はまりますよ。ぜひお試しください。

しかし「背守り」ですから、やっぱりシャツの背に縫いたいですよね。布や衣服に刺繍すときは細かいステッチに置き換えるなどするのがオススメです。すてきな刺繍ユニットのbotanicさんに応用編として、今に活 かせる「背守り」の作品を作っていただき、参考例として写真を掲載しました。工夫次第で衣類にも使えます。





この製品で使われている素材について、エピソードはありますか?

型紙は、古い資料から48種を選びました。

糸巻きは、江戸から昭和の初期まで使われていた、木の四角い形の糸巻きを模して紙の型抜きで作りました。それぞれの箱に3個入っていますが、実はこの糸巻きの柄は15 種類。「新版文様切り型」でつくれる日本の文様がプリントしてあります。どの柄が入っているかはお楽しみに!

糸は3色。糸はどんな糸でも工夫次第、柄に合わせて楽しめるのですが、まずは刺しやすい、刺し子用(太 若草色)(細 紅色)刺繍糸(紫)を入れました。

針は穴が大きくて先があまり尖っていないクロスステッチ用。

少し厚手の紙なら、どんな紙にも刺せますが、作ってかわいいカラフルな丸カードをセットしました。まずはこれでお試しください。 



AssistOnのお客様にメッセージをお願いします

何気ない小さなしるしに込められてきた母達の思いの深さを知ると今、私達がここにいることが、このような思いに守られているのだなあと感じます。

たとえ、既製品の衣類でもちょっと手を加え縫い目を加えること、それが「背守り」の心を伝えていくこととだと思います。ぜひ一度この小さな手仕事をお試し下さい。

出産予定の方、出産祝いとしてもぴったりです。もちろん、こどものためだけでなく、あなたの「背中」を守るためにも。

日本の古い「かたち」は、もっと私達と遊びたがっている!そんなふうに思うのです。