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2006年10月5日、グッドデザイン賞を主催・運営している財団法人日本産業デザイン振興会をたずねました。
日本産業デザイン振興会は、日本で唯一の総合的なデザインのプロモーション機関です。「Gマーク」として知られるグッドデザイン賞の運営をはじめ、デザインを通じた国際交流や産業振興、地域振興の支援などを行う活動を幅広く行っています。
みなさんがご存じの「Gマーク」は、1957年にスタートした日本で最も大きなデザイン評価の仕組みです。これだけ歴史があり規模も大きなデザインアワードは欧米にもありません。Gマークは生活用品や建築、コミュニケーションから新技術にいたるまでの広い領域から、「優れたデザイン」を選ぶ仕組みで、日本を代表するデザイナーや建築家などのスペシャリストが、4ヶ月もの期間をかけて応募作を審査しています。
先日、10月2日、2006年度のグッドデザイン賞の発表が行われました。今年度は1034件が受賞し、アシストオンの取り扱い製品も、12点がめでたくGマーク受賞に輝きました。
今回は今年度のGマークの傾向や、どのような思いでGマークを運営しているのか。これらを中心に東京・浜松町にある、世界貿易センタービルディングの日本産業デザイン振興会をおたずねしました。事務所では、いつもにこやかなGマーク事業部の矢島さんが出迎えてくれました。
グッドデザイン賞について
今年度、2006年のグッドデザイン賞は、総数2,918件の審査対象に対して厳正な審査をおこない、そのうち1,034件が受賞となりました。
「今年のグッドデザイン賞の審査は厳しいね」と言う声がアシストオンをはじめあったようですね。確かに、商品デザイン部門の受賞数は減っていますが、グッドデザイン賞全体としては、昨年まで臨時的に行っていたアセアンセレクションが今年はなくなったりしたので、実は受賞総数はそれ程大きくは変わっていないんですね。というよりも、率や数をうんぬん比べたりするのは、あまり意味がなく、実際に選ばれたもの、選んだ基準を見てもらいたいのです。
数年前は、特にインハウスデザインの活性化を図るということから、落とすのではなく、積極的に良いところ見つけ出していく、という全体方針があり、受賞数が多かった時がありました。しかし最近なって、選ばれる側である参加企業やデザイナーの側から「もっと受賞数を絞り、もっと厳選して欲しい」という声が多く寄せれられるようになってきています。
「デザイン」という言葉がより一般的になり、グッドデザイン賞自体も多くのメディアで取り上げられるようになってきました。それらを見ていると、以前に比べてグッドデザイン賞の意味や価値がここ数年で、少し変わってきたのかな、求められていることも変化しているのかな、と感じています。
たとえば今回の「グッドデザイン賞ベスト15」だけをみていただいても、私たちの暮らし方、または公共性ということを深く考えたもの、そしてなによりデザインの持っている可能性をいろんな角度で誰もがみんな語れるようなものが選ばれていますね。それはつまり、これらを今年選んでいただいた73名の審査委員の意志のあらわれなのかもしれません。歴代のGマーク製品をみてゆくと、その時々の特徴や時代性をかいま見ることもできる、と思います。
Gマークをもっと身近なものに
通商産業省時代のグッドデザイン賞は、現在のように審査の過程や情報を見せるということはなく、合格か不合格か、という審査結果だけを参加企業や関係者に伝え、それだけで終わっていました。当時としては、どこかのメディアと広報活動を一緒にやったり販売促進のお手伝いをしたりするようなことはできず、審査だけを公平に行い、実は本来やるべきプロモーション活動はできずにいました。
しかし1998年にGマークは民営化したわけですが、それと同時代的に起きたインターネットの発達も背景にありますが、みなさんひとりひとりが、直接Gマークにアクセスすることが可能になったので、私たちもWebサイトはもちろん、メールニュースやウェブログを活用したり、また自分たちだけで全てのことをやるのではなく様々なメディアと連動して、Gマークの目的を多くの人に知っていただくような活動をおこなっています。
例えば、Gマークがどのようにして選ばれるのかということを知ってもらうために、2001年からは、2次審査の会場を本格的に一般公開し、イベント性をもたすようにしました。だって、参加企業やデザイナーさんたちにとってもたくさんの準備や時間、そして膨大なエネルギーやコストをかけているのに審査だけで終わらせてしまっては、あまりにももったいないじゃないですか。この東京ビッグサイトで行う「グッドデザイン・プレゼンテーション」は回を重ねるごとにクチコミ的に来場者が増えて、今年は、40,000人を超える方々が来場され、デザインの夏の風物詩的なイベントとして成立するようになりました。
さらに一次審査を通過したらWeb上でも公開しみなさんに自由に見ていただけるデータベースを用意したり、一般のみなさんが投稿できる「応援メッセージ」の機能も用意しています。また、年間を通じて継続的にアシストオンのようにGマークの趣旨を理解しているお店とパートナーシップを持つことで、商品を実際に売ったり買ったりする消費の場面で、Gマークがコミュニケーション機能をちゃんと果たしているか、どうすればより果たせるのかを考えたり、また、お客さまが買うときに自分が大事に使いたいもの、愛着のもてるものとして、Gマーク商品を手にしていただきたいと思っています。
Gマークとは
2003年度まで審査委員長を務めていただいた、川崎和男さんはよくこんなことをおっしゃっておられました。「良いデザインとは何か」と。
グッドデザイン賞ではデザイナーや開発者といった作り手についても積極的に紹介していきたいと思っています。作り手の顔が見えると、使う人たちが製品に触れるたびにその顔を思い出したり大事に扱ったりするのではと、逆に作り手もより個人的な責任を感じてデザインを考えていく、という循環を生むのではないか。そして、Gマークは前世紀的な単に権威や産業ためのものではなくて、使う人やみんなにとってもより身近にならないとある意味いけないと思うんです。でも生産者vs消費者、生活者などと区分する考えはとっくに過去のものですよね。デザイナーや開発者であっても、常にものを生み出すために生きているのでなく、毎日のなかでは誰もが普通に買い物をし生活しているのですから。
みんなが考え、ひとりひとりにとってのグッドデザインがあってもいいのかなと思っています。自分にとって心地よいモノやコトはなんだろう。それはなぜそう感じるのだろう。そういったことをデザインやGマークを通じて、考えるきっかけになればよいと思います。そう言い続けてきたのが、もしかしたらGマークの50年なんだと思います。
インタビューを終えて
今回、Gマーク事業部の矢島さんにお話しをうかがい、Gマークを「伝える」ということを、ここまで丁寧に考えながら運営されていることにうれしく思いました。Gマークやデザインの意味や価値がどのように時代の状況とともに変わっていくのか、もしくは状況をもかえてしまうのか、今後も見つめていきたいと思います。
アシストオンでは10月13日から26日まで、アシストオンで扱っているGマーク製品の展示と販売をおこないます。今年受賞した製品をはじめ、皆さんが既にお持ちのものも実はGマーク製品だったりするかも知れません。自分にとってどんなモノやコトが心地よいのか、どんなモノが大事なのか、製品を通して感じてください。
インタビュー 斉藤有紀(AssistOn)2006.10.9
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