コンパクトなだけの携帯靴ベラではありません。ポケットやバッグの中で定位置を確保できる、メタフィスによる行為のデザイン。

METAPHYS cliph

革靴を履くときに、無いと困るのが「靴ベラ」。ご自宅なら玄関に用意されているでしょうが、仕事の訪問先などでは困りもの。挨拶をしなければいけない、しかし靴は履かなければならないで、あわてて靴をトントンと無理矢理、脚に押し込む。どなたでも経験があるでしょう。

本当にコンパクトで、手のひらの中に収まってしまう。しかし扱いやすく、最小限の力でするりと踵が靴に滑り込む。そして、携帯するための最適なカタチであること。そんな条件を満たしてくれる理想的な形を模索して出来上がりました。

「行為のデザイン」を基本的な考え方として見据え、高い品質の素材と、日本の地域のモノづくりを結ぶデザインコンソーシアム、METAPHYS(メタフィス)が作った新しい「携帯靴べら」です。





訪問先などでも、一切、無駄なアクションを省いて、素早く使える。全長わずか10センチの小型サイズながら、カカトを滑らせるため、クツに差し込むために十分なサイズを検討してその形状を決めました。

もう一つは本体とクリップとの一体化。このクリップが存在することで、ポケットやバッグに忍ばせるとき、特にジャケットの内ポケットに収納する時にすぐに取り出すことができる。いつも使っているペンが必要なときにすぐに取り出せるのと同じように、つまりモノの「定位置」を決めることで、焦らず迷わず、瞬時に使うことができる。それが「行為のデザイン」から考え直した「METAPHYS cliph」の大きな特徴です。

カラーは電解研磨加工によるシャープな鏡面仕上げと、上品な質感の美しい黒染め加工を施したブラックの2色を用意しました。あの方へのちょっとした贈り物にも最適です。




Sizes


2.1 × 1.09 × 9.9cm

Weight


16グラム

Material


ステンレス
:シルバー:電解研磨加工
:ブラック:黒染め加工

Manufacturer


株式会社田中製作所

Country of Manufacture


日本製

Designer


村田智明(むらたちあき)

Brand Name


METAPHYS(メタフィス)









Product Guide


そのサイズ、形状、構造のすべてを「行為のデザイン」で見つめなおして作りました。













必要な時にすぐ取り出すことができる。客先などもすぐに、スマートに使うことができる。実に「携帯靴べら」とはその形状、サイズが難しい製品デザインです。

どこへでも持ち運べる。しかしただサイズを小さくしただけでは使い勝手が悪いだけで無く、どこに行ってしまったのかが分からない。ポケットやバッグの中をゴソゴソと探り当てていたのでは、全く役に立たないでしょう。

この「METAPHYS cliph」では靴べらのサイズ、形状、構造のすべてを「行為のデザイン」で見つめなおことから始めました。
















全長わずか10センチの小型サイズながら、カカトを滑らせるため、クツに差し込むために十分なサイズを検討してその形状を決めました。もちろん小さなサイズながら、指先でしっかりと固定できるようように。そして出来上がったのが、このカタチ。素材にはステンレスを使用することで、耐久性もきちんと考慮して、重量はわずか16グラムです。














きちんと手に持って使える。カカトが靴の中にしっかり滑り込んでくれる。そして持っているのを忘れるほどに軽い。しかしそれだけでは、意味を持たないこともあります。それは「定位置でスタンバイさせることができる」ということ。

例えば愛用のペンなら必要な時にすぐに取り出して使えるよう、ジャケットやシャツの胸ポケットなど、いつもの定位置を用意されているでしょう。それと同じように、携帯のできる靴べらにも「定位置」をキープすることができるようデザインしてあげる必要があると考えました。

それがこの本体一体型の「クリップ」の存在。まるでペンクリップのように、シャツやジャケットの内ポケット、バッグの小物ポケットに固定してあげることで、いつもの「定位置」をキープ。さらにこのクリップの出っ張りは、靴べらとして使用するときに安定させるための突端としても作用してくれます。








この精密な形状を備える「METAPHYS cliph」の一体型の構造を実現したのは、高度な技術を備えた高強度ステンレスのプレス加工で有名な田中製作所。スプリングバックを起こさないばね性の高いクリップの実現はこの田中製作所の技術があってこそ完成することができたデザインでした。






















Package


贈り物に最適なギフトパッケージでお届けします。









パッケージサイズ:4.6 × 12.9 × 1.5cm 日本語の使用解説書付属









Colors






METAPHYS cliph シルバー









METAPHYS cliph ブラック









Recommendations






「耳かき」の衛生管理と使い心地の良さ、安全性を考えなおしました。行為のデザインと日本のモノづくりを結ぶメタフィスから。「METAPHYS elin









Interview


デザイナー・インタビュー 村田智明さんにうかがいました











1959年鳥取県境港市生まれ。1982年に大阪市立大学工学部応用物理学科卒業後、三洋電機株式会社デザインセンター入社。1986年にハーズ実験デザイン研究所を設立、プロダクトを中心に広範囲なデザイン活動を行う。オムロンの血圧計「スポットアーム」やマイクロソフト「Xbox 360」などを手がけ、記録的な販売数量を達成する。

自ら立ち上げたブランド共有型コンソーシアムブランドMETAPHYSや、東京都美術館新伝統工芸プロデュース事業や越前ブランドプロダクツコンソーシアム、鳥取プロダクツコンソーシアムなど、地域振興施策としてデザインを活用したプロデュース業務にも数多く携わっている。




この製品をつくる、きっかけとなった出来事を教えてください


訪問先におじゃました後、玄関先で見送られる状況を思い出して頂けると分かるのですが、ずっと靴を履いて挨拶をして去るまで、こっちを見ながらじっと待っていることがあります。

その間、靴ひもをほどいて履き直したり、靴を床にトントン叩きつけて履こうとしたり、靴べらを探したりとその仕草には、見られているせいか焦りを伴うものです。これをダンディでスマートな仕草に変えれないかといつも思っておりました。そんな時に、この田中製作所に出会ったのが製品化への始まりでした。



最終的な製品の形状やデザインが出来上がるまでに気をつけたことを教えてください


靴べらは携帯性を考えて、できる限りコンパクトにしながら、靴べらとしての使用性を損ねないこと、とっさの使用が可能になる利便性があることなどに加えて、プライベートなものですので、愛着が持てるように高品質な質感を2つのカラーで表現しています。



この製品で使われている素材について、エピソードはありますか?


靴べらを使うタイミングでサッとカバンや胸ポケットから取り出せるには、定位置を確保してあげることだと考えました。それを実現するためにクリップを付けたデザインを考えていくことが重要なポイントとなりました。

田中製作所は、プレス板金で定評がある会社ですが、特にスプリングバックを起こさないばね性の高いクリップを実現してくれます。このコアコンピタンスを取り入れたアイデアは一気にモノづくりへと加速しました。



AssistOnのお客様にメッセージをお願いします


人はちょっとした仕草に、マナーや品位を感じとり、共感を覚えるものです。「METAPHYS cliph」は、贈る人のそんな思いを贈られる人も同時に感じ取れるのではないでしょうか。あの人がスマートに使う姿が目に浮かぶように、贈る人はそうあってほしいイメージをその人に投影するものなのです。

そんな、気持ちのやり取りが「METAPHYS cliph」を通じてできれば、私は本当に嬉しく思います。






Product Story







メタフィスは2005年夏にスタートした、異なる企業の協業体で作り上げるデザインブランドです。

メタフィスはデザイン思想で繋ぐコンソーシアムブランド。それは「すべての存在の基本原理を追求する学問」を意味しています。私たちが日常必要と思っているモノは、本当に必要なのでしょうか。私たちは誤った使い方を常識化していないでしょうか。 生産過剰な消費文化のなかで、モノの存在意義を洞察する姿勢が、今私たちに課せられています。メタフィスはこの思想を共用する企業や個人の協業でつくられたブランドで、日本の「モノのあり方」、「モノの創り方」、「モノの流れ」を本質へと導くデザイン事業です。

メタフィスの商品には、すべてに共通する思想が含まれていて、担当する企業が異なっても同一の思想が反映されています。 例えば、「観察」 という作業からモノづくりが始まるのも、このひとつです。「観察」には、必ず第二者、第三者の視点をおいて、主観を排除するための考え方が整理されています。モノが花瓶だとすると生けられる花が第二者、それを観賞する人が第三者なのです。 花からすれば、自分が長く生きていけることを望むでしょうし、観賞する人からすれば、花瓶のデザインと花をいかにマッチさせるか、また空間のどこに置いて、どう演出させるのかを考えるでしょう。

モノを取り巻く人や事象などの相関関係や、行為に伴う変化などを観察することによって、モノをデザインするうえでのガイドラインを作成することも、メタフィスの思想のひとつなのです。

すでにいくつもの企業が参加され、商品開発が動き出しています。 メタフィスのこれからにぜひご期待ください。